シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいる者です 文章を書くのを仕事にするのが目標です。夢は世界一周です

些細な事

#180 幸せってなんだろう

ラッキーオールドサンの曲「フューチュラマ」という曲にこんな歌詞がある。 「幸せって何だろう? 青梅行きのホームで」 関西出身の私はわざわざ東京に行って、中央線のどこかの駅に降りて、歌詞の通りに青梅行きの電車を待ってみたけれど、別に幸せは見えな…

#177 セルフネグレクトして死んだ父のこと

父が死んだ。 本当に死んだ。嘘みたいだ。去年の7月に自分が交通事故に遭った時も嘘みたいだと思ったけれど、それと同じくらい信じられない。 5月の2週目の火曜日の夜。普段は来ないSMSのメッセージが来ていた。父の姉だった。 「あなたの父親について連…

#155 2月と3月は、人間が好きになる。

どう考えても人間が好きなのだと思う。生きる意味とか、やりたいこととか、そういうのは明確にはわかっていないし、これから理解できるのかも未知数だけど、人間が好きだということは変わらないと思う。人間が好きで、それだから生きているとまで思う。もち…

#153 今日の出来事

今日はいくつも良いことがあった。 早起きをした。コーヒー豆とミル、コーヒーポット、ドリッパーを持って学校に行った。 コーヒーを淹れるようになってから、コーヒーを友達に淹れる、というのをいつかやりたいと思っていた。それが今日できた。卒業前にで…

#151 髭と長髪と私

あいつが伸びてきている。気持ち悪い。この気持ち悪いブツブツが明日にはまた伸びる。憂鬱だ。明日の夜にはもっと伸びる。明後日もその次もどんどん伸びる。 月に一度でも剃ればそれでOKだったのが、段々頻度が多くなり、今では週に3回も手入れをしないとい…

#148 ヘアドネーションをしました

伸ばし続けていた髪を切った。 ちゃんとした美容室に行くのは1年ぶり。去年の10月に髪の毛を染めて以来だ。2019年からずっとツーブロックにしている。頭頂部だけ残して、左右と後ろは刈り上げ。この髪型にして2年半。長かった。 美容室に行く時というのは、…

#146 永遠の入り口

誰かと仲良くなる。「○○が好きなの?」「一緒だね」「似てるね!」そういうやりとりが繰り返されて、束の間私はうっとりしてしまう。共通点がたくさん。育った町や行った場所。好きなバンド、スポーツチーム、アイドル。出会った日はうっとりしながら帰る。…

#144 9歳の私へ

お元気ですか? 愚問ですね。なんせずっと病棟にいるんですもんね。お疲れ様です。色々とつらいこともあるでしょうが頑張ってください。あなたが——当時の私が——つらいと思っていたかどうかは、実は思い出せません。入院するとわかった時に泣いたのは覚えてい…

#143 病棟の日々

入院しています。何から書けばいいのか迷っているうちにもう38日目になってしまいました。病院での生活は今のところ順調です。8月初めの二度目の手術が終わった後、しばらく車椅子の上で安静にしないといけなかったのですが、それも金曜日で終わりで、昨日か…

#122 部屋の整理(2)

子供向けの国旗の本。保育所に通っていた時、国旗の本をおばあちゃんに買ってもらった。たしかクリスマスプレゼントだったと思う。朝起きたら枕元に一目見ただけで中身が本だとわかる包みがあって、開けると色とりどりの国旗の絵が入った表紙が目に入った。…

#121 部屋の整理(1)

例題12「次の日本後の文章をロシア語に訳しなさい」 「自分は他人とは違う」「自分こそが××にふさわしい」という慢心、他者への優越。今の自分が「しんどく」なっている原因はこういたものなのではないだろうかと思った。O大学に入った時、周囲のことをなん…

#119 ぺルテス病と自意識

小さい頃、街で車いすの人を見かけた。私はその人のことをかわいそうだと思った。その人は守られるべき対象で優しく接しないといけない。その人には誰しもが無償の愛情を注がないといけない。私はそういう風に考える、少し変わった、気持ちの悪い子どもだっ…

#118 理想と現実。ある大学生の場合 後編

大学生になったらアルバイトをたくさんするのだと思っていた。 最初に始めたのはイベントスタッフ。初めて入ったのがインテックス大阪でのKANA-BOONのライブだった。『フルドライブ』や『ないものねだり』のような有名な数曲ぐらいしか知らなかった私は、観…

#117 理想と現実。ある大学生の場合 前編

何かをする前に、実現不可能な期待を抱いてしまう人間が一定数います。私の教えるロシア語のクラスにも毎年そのような学生が何人もいます。「ロシア語ができたらあんなことがしたい、こんなことがしたい」と考えるのは勝手ですが、語学は一足飛びに身につく…

#116 何でもない日々(3)

水曜日。久しぶりに大学の食堂でご飯を食べた。ゴビゴビ砂漠とSさんと一緒に食べた。食堂は感染対策のためにブース型自習室のように仕切りが立てられていて、3人で食べているのにまるで1人で食べているような気分にさせる。誰かが5月ぐらいにzoomの授業の中…

#115 何でもない日々(2)

従兄弟の家から帰って、リビングでテレビを見た。女芸人No1決定戦The W。令和になっても「女芸人」という表現が残っているのはどうなのかしらと思うけれど、お笑いの世界では「男」がマジョリティで、それ故に光が当たらない「女」芸人がいるからこそ存在す…

#114 何でもない日々(1)

私の寝起きの悪さは7つの海と5つの大陸の津々浦々にまで轟くほど有名で、もし第三次世界大戦が起こるならそれは私の寝起きの悪さによって引き起こされるでしょう。あるシンクタンクの報告によれば、私の寝起きの良しあしが株価に影響を与えていることはほぼ…

#113 Welcome to melancholic December

猫の声がした。確かにしたのだけれど暗がりの中に目を凝らしても何も見えなかった。もしかしたら誰かを乗せた自転車が軋む音だったのかもしれないし、どこかのフラットで誰かが椅子を引く音だったのかもしれない。でも私が聴いたのは確かに猫の鳴き声で、だ…

#111 気まずい?

気まずい? あなたが踊っていた日はちょうど従妹の誕生日で、だから私はしばらくは忘れない。 あなたはすぐに忘れても私は思い出し続けるでしょう。 あなたが踊っていた時、月は隠れていて、夏なのに涼しかった。 あなたが気まずいなんて思うなんてなんかも…

#110 めちゃくちゃな一週間 中編

ジャンパーをクローゼットから出した。おしゃれな24歳が羽織る上着は「コート」なのだろうけれど、私が着るのは「ジャンパー」である。そう。まごうことなきジャンパー。 ポケットに手を入れると、去年のレシートが出て来た。チョコレートと映画館のレシート…

#109 めちゃくちゃな一週間 前編

ジャンパーをクローゼットから出した。おしゃれな24歳が羽織る上着は「コート」なのだろうけれど、私が着るのはジャンパーである。そう、まごうことなきジャンパー。 ポケットに手を入れると、去年のレシートが出て来た。ガソリンスタンドとミスタードーナツ…

#105 寿司・ドーナツ・ドライブ

九州からゴビゴビ砂漠が帰って来た。一緒に夕食を食べに行った。大学から一番近いところにある回る寿司。彼が留学から帰ってきて以来1年半ちゃんと喋っていなかったから少し緊張していて、久しぶりに会ってどんな話をしようかと思った。 あんまり大きな声で…

#104 大学が始まる

ゴビゴビ砂漠いわく平安時代は今と同じような温暖な気候だったらしい。ゴビゴビ砂漠というのはクラスメイトのあだ名である。 彼の言う通りだとすれば、たとえば菅原道真の祟りだと考えられていた洪水や落雷は、もしかしたら温暖な気候のために起きたことだっ…

#103 くつすてた。

実家に帰った。リンゴを買った。剥いて食べた。 つがるりんご プリモントリオールを捨てた。ナイキの黒い靴。かっこいい靴。靴底に穴が開いて、雨の日には靴下が濡れるようになっていた。洗えない靴らしいから、天日に干していたけれど、くたびれていてもう…

#98 情けない話

いつから死にたいと思うようになったのだろう。4歳? 5歳? 始まりはかなり早かった。父と母が言い争っているのを聴きながら、自分がいなければこんな言い合いも起こらないのだろうと思っていた。自分が悪いと責めていた。悲しかった。非力な自分が許せなく…

#93 天然な人

さっきまで教授の部屋で数人で話していた。教授と数人の学生で、お茶やクッキーを食べてこれからの進路のことや研究のこと、卒論のことを話していた。帰り道に友達が呟いた。 「天然な人ってちょっと苦手やな。その人の言動のどこまでが『本当』でどこまで…

#92 進級

進級した。ようやくだった。 夜勤だった。日付が替わった。久しぶりに大学のホームページに入った。緊張しながら「成績」のボタンを押すと、また新たなボタンが出て来た。そのボタンには「2019年度通年」と書いてある。私はこれを今からクリックする。そうす…

#89 コーヒーを淹れてみよう

コーヒーを淹れてみよう。そう思った。時間はたっぷりあった。 先が見えない毎日。家にいないといけないのなら、できる範囲で暮らしを豊かにしようと思った。とはいっても野菜は確実に値上がりを続けている。不必要なものは買えないのでとりあえずジャガイモ…

#84 盆のようなもの

◎令和元年 8月18日 おじいちゃんに私の来訪は伝わってなかったらしく、彼は驚いていた。一応お盆で、だから母と3人で過ごす予定だった。そうでもしないとなかなか会えないのであった。ほどなくして母が来た。本来ならば私が前もって祖父に連絡しなければなら…

#83 地元でプール

◎令和元年 8月16日 ともの家を9時過ぎに出た。外はもう暑かった。通りを歩き出したところで、昨日オアシスで買ったチョコとカラムーチョはほとんど食べないまま出てきたことを思い出した。 12時までミスドにいた。何冊も本を持ってきていた。昨日の夜にはア…