シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

箱根の日々

#224 フェンネルのスープ

フェンネルのスープだっけ。それともフェンネルとプロッコリーのスープだっけ。あれどっちだろう。そう思ってMさんに連絡する。なぜか今回はすぐに返事が来る。きっと、簡単に返事できる内容だったんだ。正しくは「フェンネルとブロッコリーのスープ」 去年…

#216 箱根から降りていく。

「別れを上手くすること」 それが今年の目標だった。箱根を出るときは、できるだけこっそり出たかった。でもやっぱり名残惜しくて、時間がかかった。みんなありがとう。それでも全員に感謝を伝えることは不可能で、それに自分の中にあるのは必ずしも純度100%…

#193 熱海に足を踏み入れる

熱海から見る東の海。真鶴の三ツ石海岸が見える Googleマップの示す住所に行ってもそこには「closed」とあるだけで明かりもついていなかった。ただ、確かにそこはゲストハウスの入り口であるようだった。どういうことなのだろうと思って予約サイトからのメー…

#192 正月と山

昨日、少し羽目を外しすぎたのかも。昨日が楽しかった分、反動なのか、今朝はナイーブで、変な感じだった。今日から2023年が始まっていると言うのに全く実感が湧かなかった。こうして実感のないままに30歳になり、40歳になり、死ぬのだと思う。 朝のゲストハ…

#190 忘れること。忘れたことを気にすること。

母も私も、物をよくなくす。家の鍵、物差し、お気に入りのお皿、鰯の缶詰。コンパスと分度器。 「物を探している時間が人生で一番無駄」といつか母が言って、それは今でも真実だと思う。 ホテルで働き始めた時、毎日のように物をなくした。お気に入りだった…

#189 オーストラリアに行く日

まだオーストラリアに行ったことがない。私の初めての海外旅行はモンゴルだった。日本人としては珍しいと思う。 オーストラリアが初の海外渡航になる可能性もあった。中学校の英語研修がオーストラリアだったのだ。希望者が研修内容をプレゼンし、プレゼンが…

#188 秋が来る

秋になった。でもどのタイミングで秋になったのかはやっぱりわからない。 北大阪にある学校(中学校と高校は同じところに通った)にいた10代の頃、秋を感じる暇などなかった。気づいたら桜の葉が紅色に染まっていて、そして茶色になり散った。住んでいる街に…

#186 パリピになろう計画。序

これは300Barの近くにあったオイスターバー 東京に着く度に、東京が苦手だと思う。小田急線で小田原から新宿。始点から終点まで。寝ていたら一瞬だった。経堂や祖師ヶ谷大蔵、下北沢。知り合いが住む街を抜ければもうそこは新宿。すでに体が重い。ゲストハウ…

#185 Fujimi Cafe・ラリック美術館

Fujimi Cafe うん。とてもストロングなコーヒー。美味しい。最初は砂糖無しで。途中から砂糖とミルクを入れよう。 「富士山が見えるカフェ」という触れ込みの峠のカフェ。バスに乗ってカーブを登っていく。トンネルを抜けると県が変わって静岡県。富士山が見…

#184 初めて時間を意識した時

80歳まで生きられるとして、人間が一生に生きる時間は4000週間しかないらしい。昨日読んだ本の冒頭にそんなことが書いていた。そう考えると一生はとても短い。私は今26歳で既に人生の3分の1を生きたことになる。残りの時間は2600週余り。これから1日に1円ず…

#183 サッカー好きの関西人。神奈川にいる。

箱根の旅館で働いている。6月中旬に来て、今日でちょうど2ヶ月。今日は休みをもらった。最初の登山鉄道の列車に乗って山を降り、小田原に出ている。今日は小田原でのんびりするつもり。といっても、整形外科に行く用事ができてしまったので午前中は駅前の…

#182 引き算の人間関係について。角田光代『対岸の彼女』を読みながら

" data-en-clipboard="true"> 結局人間は分かり合えないのだと思う。そして最後は傷つけ合って終わるのだと思う。楽しいのは最初だけ。大学に入ったあの頃。可能性の青い扉が開けて、誰とでも友達になれそうだったあの数週間。あるいは高校、中学、小学校。 …

#181 緊張とお風呂と本

あと数時間で誕生日を迎えるというのに私は浴槽に浸かりながら芥川について考えている。箱根の旅館。働いているスタッフはお客様と時間をずらした深夜帯に入浴できることになっている。私はお風呂が好き。でもここでは、一度建物を出て、大浴場のある姉妹館…

#180 幸せってなんだろう

ラッキーオールドサンの曲「フューチュラマ」の歌詞にこんな箇所がある。 「幸せって何だろう? 青梅行きのホームで」 関西出身の私はわざわざ東京に行って、中央線のどこかの駅に降りて、歌詞の通りに青梅行きの電車を待ってみたけれど、別に幸せは見えなか…