シゲブログ ~避役的放浪記~

ありゃりゃ、みつかっちゃったぜ。全部フィクションです

ことば

#93 天然な人

さっきまで教授の部屋で数人で話していた。教授と数人の学生で、お茶やクッキーを食べてこれからの進路のことや研究のこと、卒論のことを話していた。帰り道に友達が呟いた。 「天然な人ってちょっと苦手やな。その人の言動のどこまでが『本当』でどこまで…

#90 詩を書こう

『詩を書こう』 こういう時だから文章を書こう そう思った それなのに言葉はあとからあとから溢れて 掬えど掬えど「本当」は掴めないまま 誰かと電話した 思いつくままこぼれ出る言葉たち 強いことば弱いことば 抱きしめたいのに目を合わせたいのに 目の前に…

#89 コーヒーを淹れてみよう

コーヒーを淹れてみよう。そう思った。時間はたっぷりあった。 先が見えない毎日。家にいないといけないのなら、できる範囲で暮らしを豊かにしようと思った。とはいっても野菜は確実に値上がりを続けている。不必要なものは買えないのでとりあえずジャガイモ…

#80 正月

正月が来るのがイヤだった。 母と祖父と三人で過ごす年の瀬はつまらないと思った。嫌でも祖母の死を実感してしまう。3人では麻雀ができない。2対2に分かれての百人一首もできない。おばあちゃんの作った田作りも栗きんとんも無い。3人でテレビを見て寝て起き…

#79 意味のないこと意味のあること

「どうしてお前は意味のないことを心配するんだ?」 高校の時に友達に言われた言葉。部活の試合の帰りでみんな疲れた顔でバスに乗っていた。ちょうど女の人が降りたあとだった。その女の人というのが問題で、彼女の腕には無数の切り傷があったのだ。どうもリ…

#44 「せつない」のありか

『せつない話』という本を読んだ。私の好きな作家、山田詠美が集めた「せつない」短編たちを光文社が1993年に出版したものだ。国内外の作家が書いた14の短編たち。私はそれを先々週の金曜日に天神橋筋商店街で買ってついこないだ読みおわった。吉行淳之介の…

#33 そのことば「取り扱い注意!」

使う時に気をつけないといけない言葉がある。 今年の2月17日と18日の土日に名古屋の大須に行った。「大須にじいろ映画祭」というのに参加したのだ。「にじいろ」という名の通り、セクシャルマイノリティに関する映画祭だった。 18日にメインの上映会があって…

#32 プレゼンターツィア  

今日はロシア語でプレゼンをする授業だった。4月から各々で進めてきた研究を発表するのだ。90分の授業で6人が発表した。 私は今月に入ってから論文を調べ、何冊かの本を読み、原稿を仕上げた。パワーポイントもどうにかこうにか仕上げた。しんどかった。 そ…

#10言葉の限界 その2

(#9のつづき) 「星の王子さま」を読んで半年たった後、私は軽いうつ状態になった。周囲にあふれるとげのある言葉が辛くて家に引きこもっていた。クラスメイトの、物事を言い切るような言い方が許せなかった。私の席の後ろで繰り広げられる悪口の連鎖に傷…

#9言葉の限界 その1

「関西クィア映画祭」というのがある。セクシャルマイノリティに関する映画を上映する映画祭で、「みんなヘンでいいじゃないか」というスタンスでやっているみたいだ。私は行かなかったが、去年の秋にも、11回目の映画祭が大阪と京都で行われた。今年もある…