2019-01-01から1年間の記事一覧
同窓会が開かれるらしい。クラスだけの同窓会だと思っていたらどうやら学年の同窓会らしい。行くのか行かないのか迷っていたけど、結局私は行く。なんだかんだでこういうのは絶対に行く。そういう性格である。コミュニケーションを取るのは上手じゃないけれ…
◎令和元年11月2日 朝6:00に起きた。まだ出発まで時間があった。 昨日は東京から来た高校生と一緒にラーメンを食べたあと、睡魔に負けて早めに寝た。本当はカプセルホテルのベッドで家から持ってきた『ワインズバーグ・オハイオ』を読もうと思っていたのだけ…
◎令和元年11月1日 優しくなりたい。ずっとそう思っていた。保育所にいる頃からすでにその思いはあって、どうやったらよい世界が作れるのか漠然と考えていた。摩天楼に突っ込んでいく飛行機も捕らえられた中東の狂信的指導者も、100人が死んだ列車事故もアス…
〈詩のコーナー〉 教室 教室のうしろすわり 脳みそ半分できいている ぬるぬるの雰囲気うすら寒い空調 すやすやの寝顔と誰かのしたおなら 茶髪に染めただけのあいつも スマホ片手につまんない顔してる 今日もまたそれぞれの人生がこの部屋で交差して またみん…
◎令和元年 8月31日午後 この感じ、宮沢賢治の童話に似てるな。そう思った瞬間が人生に一度あった。中学に入った5月、オリエンテーション旅行という名の、学年の親睦を深めるような旅行があった。あんまり覚えてないけれど兵庫県の神鍋高原に行って1泊か2泊す…
その部屋には立派な本棚があって、おおよそ私に縁はないような本が並んでいた。日本史に関わるミステリーや旧日本軍の太平洋戦争の戦記などが乱雑に並べられていた。私はそれらのタイトルに心惹かれることはなく、ざっと眺めただけで部屋を出た。こういう時…
令和元年9月19日 夜行バスが八重洲口を出たのが9時50分。電灯が消えたのが22時13分。三列目の通路側に座りながら終わりつつあるこの旅行について考えていた。東京で再会した友人のこと、ソウルで食べた焼肉、釜山の博物館、慶州のお寺と古墳、全州のバス停で…
〈詩のコーナー〉 旅路の空 旅路の空はいつもきれい 心が広くなるからか お空を見上げて考える 旅路の空はいつもきれい 故郷の空は汚いか そういうことでもあるまいが 旅路の空はいつもきれい 雲を眺めて一休み これからどこへいきましょう 旅路の空はいつも…
〈詩のコーナー〉 Blue Days あなたはいないこのドアのむこう あなたはいないこの夜の街にも 悲しくなんかないさびしくなんかない 七夕なんて毎年雨降り シャワーのあとでコーラを飲んでる テレビつけたまま暗がりの中で 帰りに買ったバニラのアイスバー 逃…
※血と刃の描写があります。苦手な人は注意してください 最近どうにもいかない。気分が落ち込む周期にいる。ずっと後ろ向きのことを考えていて、寝ている時だけが幸せである。 昔は「死にたい」と思う度に世界の色が変わったものだけどそんなのはもう何もない…
LINEを開くのがおっくうである。先週ついに未読件数が3桁を越えた。異常事態だ。WHOの研究によればSNSの未読件数は精神の疲労度を測る指標の一つとされている。手元のマニュアルによると未読159という数値は「レベル4:不要不急の外出を避けるべし」に相当…
〈詩のコーナー〉 夜の国道 走る 黒いカーテンはとうにおり 向うの山影も闇の中 うっとりしている原付の上 走る 世界を抱きしめながら 世界に抱きしめられながら 全てが洗い流されてゆく 走る うどん牛丼ファストフード マンガ喫茶とラブホテルも 色つきの光…
〈詩のコーナー〉 全部 私、頭の中ではなんだって言える 空想も妄想も発想は自由 そう誰かも言ってたわ 私の中でふくらんだあなたは やっぱり本当のあなたとは違うんだよね? でも本当のあなたって? なんて面倒なことまた考えてる 底なしの沼がここにもあそ…
〈詩のコーナー〉 23歳 もうなんの感動もないなんて うそぶいても強がっても 本当はずっと意識していた 23歳は大人だと思っていたのに 私はまだまだ子供で 彼らのようなはっきりとした輪郭を持たない それがあなたの魅力。 なんて言われてもピンとこない…
動悸が止まらなかったのがだんだん落ち着いてきた。惰性のままにスマホの画面を延々見ていた。そうしないとずっと考え込んでしまいそうだった。サマープログラムの面接。私は自分の怠惰と幼稚、人間としての未熟さを思い知って家路についていた。たかが面接…
軟球を拾った。野球ボール。Aという文字が書かれているからこれがA球という種類なんだろうと思った。私の小学校は校区内に少年野球のチームが2つもあるようなところで回りの友達も毎日野球をしている環境だった。よく寄せてもらって放課後に野球をして遊ん…
2留している。 いや、正しく言うと、実際に留年したのは1年。その前は休学だった。 休学しても別に何もしなかった。旅行をちょろちょろして免許を取っただけだった。 今月、私は23歳になる。 「大学生で22歳」と言うのと、「大学生で23歳」と言うのは違う。 …
※この話はフィクションです。血の描写があるので、苦手な人は読まない方がいいと思います。 11時を回ったところだった。 通称ラーメン横丁と呼ばれる通りを抜けて男は駅へと急ぐ。明日は土曜日。仕事がないとはいえ午前中は出社しなければならない。再来週に…
4月30日 ゆっくり家でおかんとご飯を食べればよかったなと思った。 さっきからずっと山道。おまけにぽつぽつと雨も降っている。国道とは言え道幅の狭い道が続く。もう夜だから黄色い線ははっきりとは見えない。どこまでが道路でどこまでが路肩なのか。ど…
はじめに まず、読みたい人だけ読んでください。この文章はあまり気持ちのいいものではないです。自殺について書いた文章なのは題名でわかると思います。自殺した人に対して、残された人は思い思いのことを口にします。肯定的に言うこともあります。「信念の…
※1 このブログは#49の続きでもあります。興味ある人はこちらもぜひ読んでみてください ※2 最後にお知らせがあります。 shige-taro.hatenablog.com 2月17日(日)深夜 名古屋にいた。映画祭が終わってから一人でご飯を食べていた。矢場町にある台湾料理…
2月21日(木) ライブに行った。心斎橋パンゲア。去年9月に伊集院香織の弾き語りに行って以来、久しぶりのライブハウスだった。 二日酔いから起きてスマホを見るとバンドマンの友達からラインが来ていた。「今日ライブじゃけえ、前売りのリストのとこに名前…
4月8日(月) 目が覚めて思ったのは「筋肉痛がひどい」ということだった。ふくらはぎは大したことがないけれど、太ももの前、——大腿四頭筋というのだろうか?——そこがとても痛い。昨日はフットサルをした。新大阪まで行って先輩と会い、知らない人に交じって…
〈詩のコーナー〉 世界の末っ子 まだまだまだまだまだまだ 準備ができていないんだ まだまだまだまだまだまだ 駆け出すにはまだ早いよ 好きなものを好きなだけ 嫌いなものは飛んでゆけ いつでも夏のキリギリス どこまで許されるだろう みんながおれを縛るけ…
〈詩のコーナー〉 夕日に向かって あなたのお母さんのことを聞きました あなたがいつもより饒舌だから私はうれしくて あなたがいつもより笑うから私もいつもより笑いました それが先週のことでした あなたのお母さんのことを聞きました あなたが饒舌だった理…
そして迎えた新年。うちは家族で集まるとすぐ坊主めくりをするのだけど、正月一日の午後になって「ボウリングに行きたい」なんて弟が言いだして。「ああめんどくさいこと言うなよ」と思った私が口を開ける前に父が「ストライク! いい考えや!」なんて叫んで…
〈詩のコーナー〉 ドービニーの庭 自転車に乗ってやって来た街で ゴッホの絵を見ている 盛り上がる黄色青緑かつて絵を描いた人がいて 今絵の前にいるぼく 100年前のフランスのどこかの庭 目の前に広がる草原には 自転車だけじゃたどり着けない 額縁に近づい…
大須にじいろ映画祭に参加していた。今日は朝10時から夜8時過ぎまでたくさん映画を観ていた。会場は名古屋の大須演芸場。名古屋市営地下鉄鶴舞線(水色のライン)の大須観音駅から歩いて10分ぐらい。いや10分もかからんか、5分くらい。 大きいスクリーンと大…
11月の最初の日、Kちゃんと映画館に行った。TOHOシネマズ梅田。映画をわざわざ梅田で観るなんて久しぶりだ。春休みに友人の若林君と観に行って以来である。その時は「シェイプオブウォーター」と「グレーテストショーマン」を観た。「シェイプオブウォーター…
最近読んだ本。 『蜘蛛の糸・杜子春』新潮文庫 『芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編』角川ソフィア文庫 『羅生門・鼻』新潮文庫 『地獄変・偸盗』新潮文庫 貸してもらったままの本の中に4冊も芥川があったので、先月末にようやく読み始めた。本棚にもう…