シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいる者です 文章を書くのを仕事にするのが目標です。夢は世界一周です

#183 サッカー好きの関西人。神奈川にいる。

 箱根の旅館で働いている。6月中旬に来て、今日でちょうど2ヶ月。今日は休みをもらった。最初の登山鉄道の列車に乗って山を降り、小田原に出ている。今日は小田原でのんびりするつもり。といっても、整形外科に行く用事ができてしまったので午前中は駅前の整形外科にいるだけで時間が潰れてしまった。

キッチンかぶらの朝食。バイキングで食べ放題なのだ

キッチンかぶらに初めて行った時、七夕の時期だったので短冊を書いた
 朝ご飯はキッチンかぶらという小田原城の近くにある場所で食べた。朝7時から9時の間なら、バイキング形式の朝ごはんが食べ放題なのだ。料金はなんと550円。安い。そして美味しい。加えて店主の人が気さくで優しい。まだ2回目なのに顔を覚えてくれていて、嬉しかった。常連さんはこの街の人が多くて、愛されているお店という感じがする。店主の女性はいつもお客さんと話している。この前行った小田原おでんの店も、店員さんが1人で来た私に話しかけてくれたし、小田原はオープンな人が多い土地なのかもしれない。観光地って、外からの人が多い分、逆に閉鎖的というか、人間関係がサバサバしているイメージだったけど、ここはそうじゃないのかも知れない。

小田原駅
 よく使うネットカフェのある鴨宮や小田原を歩いていて、湘南ベルマーレのロゴをよく見る。Jリーグでもそんなに強くない湘南ベルマーレ。そんなチームを応援している人達がここにはいる。関西にいる時はベルマーレサポーターに会ったこともなかったし、そのクラブに付随する文化についてなど考えたこともなかった。不思議だ。

鴨宮のネットカフェ
 関西出身で、兵庫県民だからという理由だけで、ヴィッセル神戸をなんとなく応援している自分は、今まで湘南ベルマーレというチームをちゃんと意識したことがなかったことに気づく。少し前のヴィッセルがそうだったように、湘南ベルマーレは一部と二部を行き来するエレベータークラブである。神奈川に本拠地があって、でも横浜に拠点を置くマリノス横浜FCとは違う。薄い緑色がチームカラーで、エンブレムに波のデザインが入っていて、でもどんな選手がベルマーレにいるのかなんていうことは知らない。今シュトゥットガルトや代表で活躍する遠藤航が、湘南ベルマーレでキャリアを始めたということだけはなぜか知っている。
 
 今住んでいる地域はサッカーが盛んな気がする。小田急に乗っていると町田ゼルビアの広告もよく出ているし、神奈川から県を跨いで静岡に行けばそれこそサッカー王国だ。ちびまる子ちゃんでも「静岡は日本のブラジル」みたいなことをさくらももこは書いていたと思う。来週、静岡サッカーミュージアムという場所に行く。入場料は無料で、エントランスではゴン中山が音声で挨拶をしてくれるらしい。楽しみだ。エスパルスジュビロ、それに日本代表の展示があるらしい。近くに美術館が2つあるから、はしごして行ってみようと思う。 

静岡サッカーミュージアム
 受験して入った中学は大阪市北部にあった。サッカー部にはガンバを応援している友達が何人かいて、一緒に万博記念スタジアムまで試合を観に行った。二川や藤ヶ谷、梶といった選手がいた頃。もう10年以上も昔だ。アジアチャンピオンズリーグの試合で、対戦相手は中国のチームで、試合前はガンバが圧倒するとみんな予想したけれど、スコアレスドローだった。蒸し暑い大阪の夜と満員のモノレール。友達と夜一緒に過ごせるだけで楽しかったあの頃。
 同じ英語塾に通っている女の子でOさんというサッカーに詳しい子がいた。眼鏡のテンプル(つる)が黒とコバルトブルーのツートンカラーになったプラスチックで、プーマのロゴが入っていた。彼女は服や靴もプーマで揃えていて、クールでスポーティーな感じだった。塾の授業が始まる前、女の子達はジャニーズや芸能人について話していたのだけど、Oさんはガンバの中澤聡太のかっこよさを、NEWSの手越や嵐の松潤と並列して語るのだった。ウォークマンを聴いているふりをして、あるいは単語帳を覚えているふりをして、聞き耳を立てていたのは内緒だ。
 
 サッカー部に入ったものの、Jリーグのことも海外サッカーも全然知らない私は、彼女の話を盗み聞きしたり、メールで教えてもらったりしながらサッカーの知識を深めた。14歳の時に海外サッカーの面白さに目覚めた私は、イタリアリーグのACミランのファンとなり、最終的にロンドンに拠点を置くアーセナルというチームのファンになるのだが、その頃はよくJリーグを観ていた。友達とヴィッセルの試合を観に行ったり、天皇杯の決勝を観ながらOさんとメールを送ったりした。
 
 昨日、夕食出しを担当したカップルはスマホでJリーグの試合を観ていた。コンサドーレ札幌ヴィッセルの試合。カップルの男性の方が関西出身でヴィッセル神戸のサポーターらしい。毎試合チェックするくらいの「ちゃんとした」サポーターなので、俄かファンの私とは話が合わないところもあったけれど、それでも地元兵庫の話や、昔北本久仁衛や石櫃、ポポといったヴィッセルの昔の選手について話せた。嬉しかった。関西弁が懐かしくて、少しだけ家に帰リたくなった。
 彼は昔摂津本山の鳥貴族でバイトをしていたことがあるらしい。私は大学に入った頃にMと一緒にそこに行ったことがあるので、もしかしたら会ったことがあるかもしれない。一瞬だけ人生が交差して、また離れていく。もっと長く時間を過ごせば交わせたかもしれない会話について思う。空想はちょっぴり悲しくて、ちょっぴり甘い。

湘南の海
 湘南ベルマーレはフットサルのチームも持っていること、TBS系列はリモコンのチャンネルが関西とは違ういうこと。一人称が「ぼくっち」の沼津弁話者が本当にいるということ。相模湾に面した小田原は蒲鉾などの練り物が有名であること。そういうことを知っていくこと。誰かに教えてもらうこと。知ろうとする姿勢を持ち続けること。
 関西では知るはずもなかったことを、ゆっくりと知る。いくつかは大脳皮質からじっくりと浸透し、記憶に定着するだろう。そして忘れた頃に、ふとした拍子に記憶の底から甦り、私をニヤリとさせるのだ。もうそれだけで生きる意味があるなと思う。

小田原おでん。この前は一人で行ったけれどいつか友達と行きたい
 
 
【今日の音楽】

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