シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

#213 ナイジェリアには四季がないし、ここでは誰もスピッツの「ロビンソン」を歌わない。

 ナイジェリアには四季がない。乾季と雨季しかないとはいえ草木も自然も変わるから、それを単に「四季がない」と言ってしまうのはどうかと思うけれど、でも「四季」という言葉がすでに市民権を得てしまっているから仕方がない。虹の見え方が文化によって違うのと同じで、どうやって「それ」を区切るかというのは長い時間をかけて人々が決めることだ。日本にあるのは確かに四季だけど、同じ秋の中にも台風とか、秋祭りとか、紅葉とか、体育祭とか文化祭とか、そういうのによって時間は区切られる。「今年も体育祭の季節がやってきたねえ」と言っても、学校によって体育祭をやる時期は違う。私の高校の体育祭は11月だったけど、中学校は10月だった。小学校では9月だったと思う。5月に体育祭をやる学校もある。

三寒四温という感じで春と冬が一進一退の毎日
 時間をどう区切ればいいのかなんて本当は誰もわからないから、とりあえずカレンダーを作ってみたり星の動きから暦を作ったりしたのだろう。昔は天候や自然の変化だけで季節を感じたのに、今は年間行事によって季節を感じる。昔はその時期にその土地で採れた山菜、魚、穀物が行事に反映されていたのだろうけれど、今はそうとは限らない。少なくとも私の場所では地域の文化や歴史と関係なく生活が進んでしまっている。少しだけ悲しい。
 ナイジェリア人のタイウォが自分の国に四季がないと言った時、「そうだよなー、そういう国もあるよなあ」って思った。教科書には「あなたは夏に何をしますか? 例に従って書いてみましょう」なんて書いてあるけど、四季がない国に育ったらそんなの簡単には書けないかも。

池にも湖にも見えるけれど、これはアルスター川の一部。セントラルステーションの北側に広がるここでは、夏にはきっと泳ぐ人もいるのだろう
 で、ドイツには四季がある。教科書にはそう書いてある。夏は水泳。秋はキノコ採り。冬はウィンタースポーツとかなんとか。春には鳥が来て、そして暖かくなって、花が咲くよね。
「じゃあ、あなたは春に何をするの?」
そう聞かれて教室にいる人が順番に答えていく。
入学式、卒業式、花見、ゴールデンウィーク。急にスピッツの「ロビンソン」を聴きたくなる。誰かとスピッツの話をしたくなって、でもその感覚をきっとここにいる誰とも共有できないのだろうと思うと悲しくなる。ファーストアルバム『ハチミツ』に入っている「ロビンソン」。春に川沿いを歩くときにいつも口ずさむ「ロビンソン」。

ハンブルクは運河がたくさんある。このあたりは水深が低くて、魚のための場所になっている。ボートは通らないらしい。
 ドイツの人は自然が好きだ。日本のように、人間の活動場所と自然がはっきりと別れているようなことはなくて、都市の中に公園があったり、道の横に林があったりする。自然との距離の近さは、ドイツの暮らしのいいところの一つだ。今までドイツで3つの家で寝泊まりしたけれど、どの家にも庭があって、どの人も庭をしっかりと手入れしていた。旅人が使うWorkawayというサイトにも「ガーデニングを手伝ってほしい」と書いている人が多い。私もフランクフルトのティモの家で私もガーデニングを手伝ったけれど、体を動かして働くのが久しぶりで楽しかった。3月の終わりで雨がたくさん降るし、寒かったけれど。

ティモの庭
 家の近くに牧場のような場所がある。「ような」と書いたのはまだ実態がわかっていないからだ。学習施設のようのも思えるのだけれど、私の拙いドイツ語では書いている言葉をまだ理解できていない。
 ハンブルクに来て2週目の終わりに、その場所で「植物市場」なるものが催されていた。そこで私はミニトマトレモンバームを買って、今キッチンの窓のそばに置いてある。町中にポスターが貼られているとはいえ、植物のマーケットなんてのに来る人はいないだろうと思っていたのだけれど、とてもたくさんの人がいて驚いた。若いカップルも老夫婦も、一人で来ている人も家族連れも。移民のように見える人は少なかったけれど、かなりの多様性がそこにはあった。きっと一日の来場者は3000人くらいだったと思う。もっとかな。 J2の試合の観客動員数くらいは人が来たんじゃないか。

植物市場。日本語にするとダサい

バラを見ると大阪の靱公園を思い出す

羊の赤ちゃんもいた。
 火曜日に先生に作文を書いて添削してもらう。日本の春のことを書く。花見のこと、卒業式と入学式、新しく始まる季節のこと。スピッツの「ロビンソン」のことも書く。ここでは誰も「ロビンソン」を歌わない。口ずさみながら地下鉄の駅から外へ出る。もっと書きたいけれど書けなくて焦る。でも今日はここまで。
 
 
 
【Aufsatz002】
Im Frühling blühen in Japan Kirschblüten. Wie sitzen im Garten und auch unter dem Baum. Wir sehen Kirschblüten und trinken Sake. In meinem Land beginnt das neue Semester in Schulen und Universitäten im April. „In der neuer Saison fühle ich Traurigkeit in der Brise“ singt meine Lieblingsband „Spitz“ in einem Lied. Das Lied heißt „Robinson“ Im Frühling gehe ich gern entlang der Bäume am Flussufer genauso wie im Lied.
 
【今日の音楽】
 
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