シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

#222 雲ばっかり。雨も

 時々、ジブリの『おもひでぽろぽろ』が観たくなる。高畑勲の映画。山形が舞台だったと思う。東京でOLをしていた主人公が山形に帰る一夏。主人公の子供時代と現在が行ったり来たりするストーリーが好きだった。時々、現在パートに子供時代の主人公がチラリと登場したりして、そのシーンを発見するためだけに映画を見たりしていた。そういうメタ的な部分を発見すると作り手の遊び心が見えて楽しい。手塚漫画でベレー帽と眼鏡の作者自身が登場するのも好きだ。
 
 子供時代の主人公が、クラス対抗の野球を観た後の帰り道、試合で活躍した男の子に好きな天気を訊かれるシーンがある。男の子の名前は広田くん。ストーリーの上でほとんど意味を持たないシーンなのだけど、そのシーンが私は大好きだ。好きな天気が、くもりで一致することを知って、うっとりするシーン。

 一つひとつのエピソードが粒立っていて、小さな物語が集められていつの間にか大きくなる話が好き。天才兄弟が主人公のウェス・アンダーソンの映画『ロイヤル・テネンバウムズ』も好きだし、海沿いの小さな街に住む一人の男とその周囲の人々を舞台にした『マンチェスター・バイ・ザ・シー』も好き。20年前に対ヒットした映画『アメリ』が好きなのもそういうところがあるからだと思う。
 映画よりもたくさんの小説を読んできたけれど、好きな小説のいくつかも、小話が集まって大きな物語になるという構造で書かれてある。三浦しをんのいくつかの小説。アメリカ文学で一番好きな『ワインズバーグ、オハイオ』、子供の頃に何度も読んだ『ハリーポッター』シリーズ。全部挙げていきたいけれどキリがない。時間もない。

トマトを鉢に植えた
 昨日の朝はとっても暑くて、最高気温は25度以上あったと思う。私はようやく部屋の掃除をした。マットレスもあげて、ベッドの上にも掃除機をかけた。最近ずっと鼻炎の症状が出ているけれどこれで少しはよくなるといいな。鼻炎の症状があるのは副流煙のせいだと思う。毎日寝る前に鼻うがいをしている。家の人は台所のリノベーションを今日もしていた。少しだけ庭仕事を手伝ったりして、先月植物市場で買って、窓際で目一杯まで伸びていたトマトをようやく植木鉢に移した。自分のドイツ語と一緒にこのトマトがどれだけ伸びていくのか楽しみだ。たくさん実をつけて欲しいな。

Landungsbrücken 駅
 チョコレートを買うためにスーパーマーケットに寄ったら時間ギリギリになって学校に着いた。
先週から新しいクラスが始まっている。新しいレベル、新しい先生。先週から担当してくれる先生は、プリントの練習問題を配って授業内で解かしてくれる。前のクラスではそういった時間はなかったから新鮮だ。
新しい先生は妻が中国人らしい。結婚の時から身につけているというブレスレットには桃(すもも?)の種が使われていた。インドから来ているDr.Pとアヌがその話をしていて、装飾品にも文化が出ていて面白いと思う。アヌもお守りとして果物の種のネックレスをしている。この種はシヴァ神の涙なのだと教えてくれた。古代の日本人も埋葬の際に桃やすももの種を一緒にお墓に入れたというから、なんとなく通じるところがあるなあと思って話を聞いていた。

これはキールの砂浜で見つけた黒曜石
 日中はあんなに暑かったというのに、授業中から雨が降り始めた。学校から帰る頃には雨が土砂降りだった。借りている本が濡れないように、地下鉄の駅まで走る。油断して傘を持ってこなかったことを少しだけ後悔し、でも久しぶりに走って風を感じられたことに嬉しくなる。アヌが笑っている。彼と一緒に今日も帰る。彼の姿勢にいつも勇気をもらっている。ありがとう。

 新しい人と新しいカフェで待ち合わせ。1時間しかなかったけれど話していて楽しかった。で今はその人が帰った後に色々考えてこの文章を書いている。日本に留学経験があるというその人は今もハンブルクの大学にいて学内の新聞を書いているらしい。私がジャーナリストになりたくてロシア語を勉強していたことを言うと、少し嬉しそうな顔をしていた。政治とか社会の話をした。最近即位した英国王のこと、日本の天皇制のこと。大学近くのそのカフェは大学生に見える人が結構いて、私が文章を書いている向かい側のテーブルにはラップトップでレポートを書いている風の人がいた。ちなみに英国はドイツ語で「Großbritannien」というらしい。チャールズ3世は「Charles Ⅲ.」と書いて「Charles der Dritte 」と読むらしい。最近、リューベクに行った。リューベクが予想以上によかったので帰ってから街の歴史を調べていた。火災で荒廃したリューベクの街を再建したのはザクセン公ハインリヒ3世らしい。彼は勇敢だったのかあだ名をハインリヒ獅子王と言うらしいのだけど、それは「Heinrich der Löwe」と書くらしい。

Barmbek駅
 昨日が暑かったから今日は薄着で来たのだけど、カフェを出ると夕方の風は冷たかった。昨日の雨のせいでみんな体調が悪かったのかも知れない。何人か休んでいて、今日は教室にいる人の数が少なかった。ハンブルク、降水量はそれほど多くないらしいのだけど、雨が降る日は多いみたい。雨の日になると「der Wolkenkratzer」という単語について考える。摩天楼を意味するドイツ語だ。あるいは高層ビル。英語なら「skyscraper」で、「空を引っ掻くもの」といった意味だけど、一方のドイツ語は「雲を引っ掻くもの」になる。ちょっと調べたらskyscraperという言葉は19世紀後半のアメリカで生まれたみたいだ。アメリカの高層ビルは空を引っ掻くのに、ドイツでは雲を引っ掻く。それだけドイツは雲が多いのかも、とか思う。

 今朝は霧が少し出ていた。霧を見るとロンドンを思い出す。『ガス燈』とか『シャーロック・ホームズ』のシリーズとか。私の好きなサッカーチームはロンドンを本拠地に置くチームなのだけど、冬場の試合は空がどんよりして憂鬱になりそうだと時々思う。数年前南米からロンドンにやってきた選手が曇りがちの天気に順応できなくてイタリアリーグに移籍して行った。いい選手だったのに。
 箱根のことも思い出す。箱根で働き出したのは6月で、住んでいる部屋がカビだらけで困った。休みの日に外に出ても霧が出ていたり、宮ノ下から強羅まで歩いて戻ろうとしたら雨が降り出したり、そんな毎日だった。いつかまた帰る日が来るだろうか。その時の私は誰と行くのだろう。何を思うのだろう。時間ってどうして進んでいくんだろう。私はまだここに留まってゆっくり考えていたいんだけどな。今日のことも昨日のことも先週のことも、もっとじっくり向き合って書けることは書き残したいのに、気がついたらもう夏になっている。怖い。

 新しく行った場所の新しいカフェだったから、必然的に新しい路線に乗って帰る。初めて乗る駅。初めて降りる駅。予定があることをありがたいと思う。新しい人と新しい場所。それだけじゃダメで、同じことを継続していくことも大事なのだと知っているけれど、でも私は飽きもせずに新しいものを求めて前に進んでいく。資本主義とか消費社会が嫌だと思っているけれど、新しいものへの欲求が消えない自分の生き方は大量消費の時代に迎合した生き方なのかも知れないと思う。私は新しい人と新しい経験を消費し続けている。

Zitronnenmelisse
 家に帰るとキッチンが無くなっていた。DIYを今週はずっとやっていて、そのせいもあって鼻炎がひどいのかもしれない。コーヒーを作るのもこの数日間はできないし、料理のストックももうすぐ切れる。チョコレートばかり食べている1週間。パンとチョコレートは日本より安くてだからついつい買ってしまう。ジャガイモを茹でて今日もまた一日。

Jungfernstieg駅
 
 
【Aufsatz10】
„Das Picknick im Stadtpark“
Gestern habe ich das Picknick organiert. Michael, Dimmas, Dr.P, Anu, Ay, und ich sind im Stadtpark zusammengekommen. Michael und Dimmas kommen aus der Ukraine. Anu und Dr.P sind Inder. Ay kommt aus der Türkei. Und ich bin Japaner. Dr.P und Ay wohnen in einem Haus in Billstedt. Morgens haben sie zusammen Döner gekocht und mitgebracht. Ein Döner war vegetarisch, weil Dr.P Vegetarier ist. Aufgrund seiner Religion kann er kein Fleisch essen und keinen Alkohol trinken. Ich habe Guacamole mitgenommen. Für sie war das seltsam, weil Guacamole mexikanisches Gericht ist und ich kein japanisches Essen mitgenommen habe. In Hamburg koche ich kein japanisches Essen.
Am Dienstag habe ich mit einer japanischen Freundin in einen Asien-Laden gegangen. Dort habe ich „“Ssamjang„ gekauft.
Das ist eine dicke und würzige Paste und wichtig für die koreanische Küche.
Mit Ssamjang hebe ich eine koreanische Küche gekocht und mitgebracht. Das war sehr lecker.
An diesem Donnertag ist nichts Besonders passiert. Aber wir haben im Park entspannt. Das war ein guter Tag.
 
【今日の音楽】
 
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