シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいます

#100 旅に出ています

 

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 令和2824

 旅に出ています。おじいちゃんの家で車を借りて、ものの10分も走れば緑の広がる土地です。不思議です。日常の中では意識しなくては自然を見つけられないのに、旅に出ればこんなにもたくさんの植物を目にすることができます。山や川、森や林。自分の住んでいるところがいかに異常なのか、いかに人工的な環境にいるのかわかります。すこし悲しいです。

 県内をどんどん北に上がると懐かしい地名に出会います。昔ワダっぺの家族とともに泊まったキャンプ場が篠山にはありました。原付バイクや自転車なら簡単に止まることができるのですが車なので一瞬で通り過ぎてしまいました。一つ一つの景色をゆっくり見たいと思っても、気になるカフェやお寺があっても車では止まることができません。私はそこになにか大きな違いがあるように思いました。自転車と自動車の違いはそのまま子供と大人の違いなのかもしれません。一度大人の世界に入ると走り続けないといけません。お金とか人間関係とか立場とかそういったのに縛られて身動きがとれなくなって、いつか立ち止まれなくなるような気がします。まあそう感じるのは私だけなのかも知れませんけれど。環境問題もそうです。化石燃料を使い続けることが環境に悪いのは誰の目にも明らかなのに利権が絡むと誰も動けません。動いている人は確かにいるのでしょうが、スポットライトは当たりません。ペットボトルを作っている人は家族を養うためにこれからもペットボトルを作らないといけませんし、フェアトレードのラベルがついていないチョコレートの方が安いから私もいつもそちらを選んでしまいます。そもそも私たちの選んだ商品、私たちの選んだ仕事がどれほど環境に負荷をかけているか、あるいはどれほど人権を侵害しているのか、そういったことは私たちの目から隠されてあったりします。

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竹田城。山登りが大変だった

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みんなで食べた出石そば。


 まあそれはともかく、去年レンタカーで友達と行った竹田城や出石、学童の時スキー旅行で来た氷ノ山、中学の時に最初の遠足で行った神鍋も車だから素通りしてしまいました。残念でした。そこを訪ねればよみがえったかもしれない記憶がいくつかあったでしょう。もしかしたらこの機会を逃せば生き返らないような思い出もあったかもしれません。自動車での旅行は小回りが利かなくてイライラします。

 中国山地にさしかかると道のアップダウンが激しくなります。いつも平地に住んでいる私は新期造山帯にあるこの国の大地は険しいのだと再確認いたします。西宮も神戸も急な坂道はありますがそれは自然の一部というよりも都会の一部であって、文明によってだいぶ手を加えられた後のものです。自分の住む街には舗装された地面と商店街があります。国道と鉄道があって小学校がにぎやかです。そういった土地に住んでいる自分は恵まれているのかとも思ってしました。車なしでは住めないような土地に住んでいたのなら今の自分はでき上がっていなかっただろうと思います。今の甘ったれた自分は好きではありませんが、自転車で高校まで毎日雨の日も風の日も走ったり、最終バスの時間を気にして週末に友達と遊んだりするなんていうことは想像できません。18歳になる頃には、すでに私は三宮や梅田に幾度となく出かけて遊んだことがありましたが、この土地に住む18歳はそんなことはないだろうと思いました。どの土地も平等に、等しく価値があるなどと偽善的なことは口が裂けても言えませんが、その土地にはその土地の良さがあります。ご当地のお米や名物があり、風土があります。ことに日本のように山地が多い国ではなおさらだと思います。こんなにもたくさんの地名や名字や方言があることは日本語や日本文化の豊かさに繋がっていると思います。

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 大学に入って気持ちが悪かったのは、田舎出身というだけで馬鹿にする人がいたことでした。出身地による差別はそのままの差別ではなくても「いじり」というものに残っていると思います。社会の仕組みの中にも差別は残っていると思います。「都会」と「田舎」の間には文教施設へのアクセシビリティや学生の進路の選択肢などは大きな差があると思います。英語検定試験の問題はまさにそれでした。友達が言ったように結局は人生は運ゲーなのかもしれません。どんな親の下に生まれるのか、どんな遺伝子を持っているのか、どんな土地に住むのか。私たちはUNOやトランプの大富豪のように手持ちのカードを上手に使うしかないのかもしれません。格差や不正というのは誰もが解っているものだと思いますが、この国では誰も真剣に考えていないように思います。学生団体で正義について熱く語っていた人も結局は就活してあちら側にいってしまいます。まあもとより真剣に話していたのかは疑問ですけれども。就活産業自体が巨大なブラックホールになっていて、私は漠然とした諦めを感じます。気候変動の問題なんて最たる例です。前の世代が作り上げて来たことに対する怒りを最近は時々感じます。

 ユニセフの統計によれば日本の子どもの精神的幸福度は低いそうです。部活動における不条理、いじめ、無関心、自殺。そりゃそうだと思います。アメリカから飛行機を買う分、教育の予算を削っていることもそうですし、大学に入るための意味のない競争をけしかけられていることもそうですし、出していけばきりがありません。私は16歳の時に自分の人生に絶望してしまってから、何かがごっそり抜け落ちてしまったような気分で生きています。世の中を斜めに見て、のうのうと毛布にくるまりながらテレビを見てツッコミを入れています。夏が来るたび、学期が終わるたびに落ち込んで、自分を変えたくて旅に出ます。そうしてまた旅先でうっとりした後、日常に戻って絶望的な気分になります。私はそういうのを永遠に繰り返すようです。

 今回の旅行では少しでも日常を忘れて、リフレッシュしようと思います。温泉に入れるだけ入ってストレスで悪化したアトピーを治して、ゆっくりしようと思います。旅行の後にまた暗黒期がやっくるでしょうけれど、とりあえず今のところは旅行を楽しもうと思います。

 それではまたいつかお会いしましょう。お元気で。

 

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これは昨年訪れた岡山の湯原温泉

 

 

ユニセフの記事

ユニセフ報告書「レポートカード16」 先進国の子どもの幸福度をランキング

 

 

〈ひとこと〉

 最初、自動車を乗りこなす林芙美子旅行記を書いたらどんな風になるか想像して書いてみました。書いているのは楽しかったのですが、楽しいあまり筆が進んで(この文章は日記帳に書いたことを写したものなのでここでは文字通りの意味です)、自分自身のが普段考えていることをたくさん書いてしまいました。だからパロディとしても文章としても完成度はあんまりです。ただ、ここに書いてあることは全て私の考えていることです。だいたい旅の途中ではこういったことを考えています。日本を旅していると本当に子供の姿を見かけることが少なくて不安になります。考えすぎかもしれませんけれど。林芙美子ならもっと土地における人の姿や、山や雲といった形をもっと美しく文章の中で表現している気がします。

 シゲブログも100回目になります。読んでくださっている方ありがとうございます。この記事でブログを知ったよという方も、ここまで読んでくださってありがとうございます。また定期的に読んでくださるとうれしいです。周りにシゲブログが気に入りそうな人がいれば教えてあげてください。

 コロナ禍で異常なことが続く毎日なのですが、皆様はくれぐれもご自愛ください。いつ会えるかどうかわかりませんがまた会うことが出来ましたら、楽しくおしゃべりしましょう。

 最後にハンバートハンバートの大好きな歌を貼っておきます。コメントで教えてもらった歌です。書いていてなんですが、暗い記事が多いのでコメントしづらいかもしれないですね。おすすめの音楽とか本はいつでもウェルカムなのでコメントしてくれると嬉しいです。 

youtu.be

 

 

 

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