シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいます

#101 お風呂に入れない

 

 令和2年825

 お風呂に入るのが目的の旅行だったのに、旅行1日目はお風呂に入れなかった。眠くなる前になるべく遠いところまで来ようと頑張りすぎた結果、遅い時間になって開いている銭湯がなくなってしまったのだ。新期造山帯の国を旅行する醍醐味は温泉に入ることなのにこれではもったいない。それに、あせもやらアトピーやらで体が痒くて、汗を早く流したかった。米子の皆生温泉には朝6時から入れるところがあるので、明け方着くように米子に行くことにした。鳥取から西に9号線を走って、疲れたから淀江というところで車を停めて寝ることにした。

 汗がべたついてすぐには寝れなかった。運転席で寝ていると後部座席から誰かが見ている気がして落ち着かないので後部座席で寝た。音がないのも怖いからradikoでラジオ番組を聴いた。鳥取では大阪では聴けないハライチの番組が聴けるらしく、鳥取県民が羨ましいなと思った。後部座席の窓から見える星空はきれいだった。一瞬流れ星が見えた気がして、でも目を凝らすともう見えなくなった。一応ペルセウス座流星群が見える時期だったけれどピークではないので見間違いかもしれないと思った。眼が段々疲れてきて、視界の端にある星が全て動いてるように見えて来た。今日一日で随分長い間運転したのだった。 

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鳥取市内で見つけた靴屋さん。怪しい外観。

 車から出て空を見上げた。星座早見表を買ってもらった時のことを思い出した。これがあれば空に浮かぶ星座がわかると思ってうきうきしたけれど、尼崎の夜空は明るすぎて何一つ見えなかった。ワダっぺとワダっぺの妹のイズと一緒に篠山のオートキャンプ場に行った時に初めて星座早見表を使ったのだけれど、その時には暗すぎて手元の早見表がよく見えなかった。もう17年も経ってしまったけれど今でも時々思い出す幸せな思い出だ。高校の修学旅行にも夜のバス移動の時に窓の外の空がとても綺麗で、友達が楽しそうに星空を見ていた。スマホのアプリと空を照らし合わせていて楽しそうだった。高校時代、私は感情を出すのが苦手で、だからその時もつまんなさそうな顔して座っていたと思う。もったいない。あの頃もっと楽しめばよかった。

 私は今汗にぬれたシャツでラジオを聴きながら空を見上げている。さそり座のアンタレスだけはわかったけれど他の星はちんぷんかんぷんだった。トラックが続けざまに何台か来て、辺りが明るくなってまた暗くなった。私は車に入り、眠ることにした。ずっと虫の声がしていた。

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皆生温泉近くの海岸。ここにも行きたかった。

 

 2時ぐらいに起きて米子まで運転した。すっきりとは眠れなかった。皆生温泉の朝風呂に入るまでの時間、ジョイフルに入って本でも読もうと思った。喉が渇いてファミレスのドリンクバーでがぶがぶジンジャーエールを飲みたかった。車を走らせて駐車して、お店に入る時になって財布がないことに気付いた。最悪だった。

 最後に財布を出したのはいつだったか。眠い頭で考えた。昨日の夜は鳥取asipaiというお店でカレーを食べた。その後中古CDショップでジッタリンジンのアルバムを2枚とATCQのアルバムを買った。欲しかった3枚のCDが買えたことが嬉しくて、ショーケースの上に財布を置いて写真を撮った。おそらくその時に財布を忘れたのだ。最悪だった。皆生温泉に入れないままま、また鳥取まで戻らないといけない。90キロの道のり、だいたい2時間ぐらい。ため息が出た。鞄やらポケットやら考えられるだけの場所を探しても財布は見当たらなかった。ネットを見たらCDショップが開くのは朝10時だった。今は午前3時。あと7時間もお風呂に入れない。はやくお風呂に入りたかった。目の前にジョイフルの空調の効いた空間やカラフルなドリンクバーがあるのに中に入ることもできない。

 もう一度冷静に考えた。また違うことを思い出した。中古ショップの後に私はコンビニで寄ったのだ。コンビニでトイレを借りて、そのまま出るのは悪いからブレンドコーヒーを買ったのだった。すぐにコンビニに電話をかけた。5回目になってようやく繋がった。夜勤の人の眠そうな声。やはり鳥取市内のコンビニに私の財布があるらしい。財布を取りに来るなら店長が出勤する8時以降にしてほしいということだった。ATCQの音楽を爆音で歌っていた時も淀江で「ハライチのターン」を聴いていた時も財布はずっと鳥取市田園町にあったのだ。ノリノリでハンドル握りながら「Yo, Microphone check 1,2, what is this?」なんて叫んでいた時、私と財布の距離はどんどん離れていたのだ。

 誰もいない9号線を飛ばして、寝て、また運転した。ちょうど8時にコンビニに入って財布を受け取った。恥ずかしかったから「ありがとうございます」を数回連呼した後ですぐに出てしまったけれどどうせなら何か買い物をしてお金を落とせばよかった。文字通りの意味ではなく本来の意味で。店長は初老の女性で疲れた顔をしていた。

 

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ともの湯。また行きたい。

 限界だったのでお風呂に入った。昨日から目をつけていた「みさき屋ともの湯」というのが朝からやっていた。朝なのに結構な人がいた。湯の温度が高くて、ずっと水風呂に入っていた。水風呂の水もしっかり温泉の水だった。しょっぱかった。睡眠不足がひどくてずっと水風呂に入っていると気絶しそうになった。寝れなくとも疲れをしっかり取ろうと思って1時間ぐらい水風呂とサウナ、湯船を往復した。

 しっかり時間をかけて歯磨きもした。旅に出ると非日常が日常になる。だから歯磨きのような日常に時間をかけられることが贅沢になる。そんな気がする。眠くてぼおっとしていたので同じところを何回も磨いてしまった。

 ともの湯はスーパー銭湯ではないのだけれど漫画を読むスペースがあったり、そばとうどんが売っていたりした。起きてから何も食べていない私はそばを食べた。150円という驚きの安さだった。熱中症になったらだめなので出汁もけっこう飲んだ。結局2時間近くもともの湯にいた。車に戻ると直射日光にさらされて車内はもうアツアツだった。

 皆生温泉にはもう寄らず、松江まで行こうとしていた。眠くならないように音楽を大音量で流した。山陰ジオパークに含まれる海岸沿いを走るのは気持ちよかった。わき見運転をしないように気をつけた。いつも見る瀬戸内海とは違ってここにあるのは外海である。だから波が強くて海の色が濃かった。誰も知らないような砂浜にテントが一つだけあったりして少しワクワクした。

 途中、白兎神社と、鳴り石の浜で休憩をした。

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そば。

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今回の旅行で聴いた音楽

 

Yo, Microphone check 1,2, what is this?」が気になる方はこの歌をどうぞ

youtu.be

 

 

 

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