〈詩のコーナー〉
旅路の空
旅路の空はいつもきれい
心が広くなるからか
お空を見上げて考える
旅路の空はいつもきれい
故郷の空は汚いか
そういうことでもあるまいが
旅路の空はいつもきれい
雲を眺めて一休み
これからどこへいきましょう
旅路の空はいつもきれい
知らない道を歩いてる
私の心を映すから
(2019年9月17日)
〈付録『地下室の手記』〉
ドストエフスキーの中編小説です。読んでいくと、主人公と私がとても似ているように思えます。感じやすいくせに頭でっかちで理屈をこねて自らを正当化し、世界を軽蔑し、また憎みながら日々を過ごしている主人公はグロテスクです。私はどうしても主人公と自分とが似ているように思えてならない。うまくやるために、どうにかして主人公を反面教師にする必要があると思いますが、それはとても難しいです。手元にあるものは新潮社から昭和四十四年に出ている江川卓の訳の五十七刷です。
P91 第二部《ぼた雪にちなんで》2
そして、何よりあさましいのは、いまぼくが諸君に向って弁解などはじめたことだ。いや、それよりあさましいのは、ぼくがいま、こんな但し書きをいれたことだ。だが、もういい、いや、それより、こんなふうではいつまでもきりがない。次から次へと、ますますあさましくなる一方なのだから……