シゲブログ ~避役的放浪記~

ありゃりゃ、みつかっちゃったぜ。全部フィクションです

地下室の手記

#74 災害ボランティアに行った

◎令和元年11月1日 優しくなりたい。ずっとそう思っていた。保育所にいる頃からすでにその思いはあって、どうやったらよい世界が作れるのか漠然と考えていた。摩天楼に突っ込んでいく飛行機も捕らえられた中東の狂信的指導者も、100人が死んだ列車事故もアス…

#73 教室

〈詩のコーナー〉 教室 教室のうしろすわり 脳みそ半分できいている ぬるぬるの雰囲気うすら寒い空調 すやすやの寝顔と誰かのしたおなら 茶髪に染めただけのあいつも スマホ片手につまんない顔してる 今日もまたそれぞれの人生がこの部屋で交差して またみん…

#72 直方市石炭記念館

◎令和元年 8月31日午後 この感じ、宮沢賢治の童話に似てるな。そう思った瞬間が人生に一度あった。中学に入った5月、オリエンテーション旅行という名の、学年の親睦を深めるような旅行があった。あんまり覚えてないけれど兵庫県の神鍋高原に行って1泊か2泊す…

#71 血と無神経

その部屋には立派な本棚があって、おおよそ私に縁はないような本が並んでいた。日本史に関わるミステリーや旧日本軍の太平洋戦争の戦記などが乱雑に並べられていた。私はそれらのタイトルに心惹かれることはなく、ざっと眺めただけで部屋を出た。こういう時…

#70 非日常発日常行

令和元年9月19日 夜行バスが八重洲口を出たのが9時50分。電灯が消えたのが22時13分。三列目の通路側に座りながら終わりつつあるこの旅行について考えていた。東京で再会した友人のこと、ソウルで食べた焼肉、釜山の博物館、慶州のお寺と古墳、全州のバス停で…

#69 旅路の空

〈詩のコーナー〉 旅路の空 旅路の空はいつもきれい 心が広くなるからか お空を見上げて考える 旅路の空はいつもきれい 故郷の空は汚いか そういうことでもあるまいが 旅路の空はいつもきれい 雲を眺めて一休み これからどこへいきましょう 旅路の空はいつも…

#68 Blue Days

〈詩のコーナー〉 Blue Days あなたはいないこのドアのむこう あなたはいないこの夜の街にも 悲しくなんかないさびしくなんかない 七夕なんて毎年雨降り シャワーのあとでコーラを飲んでる テレビつけたまま暗がりの中で 帰りに買ったバニラのアイスバー 逃…

#67 ××××!

※血と刃の描写があります。苦手な人は注意してください 最近どうにもいかない。気分が落ち込む周期にいる。ずっと後ろ向きのことを考えていて、寝ている時だけが幸せである。 昔は「死にたい」と思う度に世界の色が変わったものだけどそんなのはもう何もない…

#66 わかってたまるか

LINEを開くのがおっくうである。先週ついに未読件数が3桁を越えた。異常事態だ。未読件数は精神の疲労度を測る指標の一つとされている。手元のマニュアルによると未読159という数値は「レベル4:不要不急の外出を避けるべし」に相当する。週末は家でゆっく…

#65 夜の国道

〈詩のコーナー〉 夜の国道 走る 黒いカーテンはとうにおり 向うの山影も闇の中 うっとりしている原付の上 走る 世界を抱きしめながら 世界に抱きしめられながら 全てが洗い流されてゆく 走る うどん牛丼ファストフード マンガ喫茶とラブホテルも 色つきの光…

#64 全部

〈詩のコーナー〉 全部 私、頭の中ではなんだって言える 空想も妄想も発想は自由 そう誰かも言ってたわ 私の中でふくらんだあなたは やっぱり本当のあなたとは違うんだよね? でも本当のあなたって? なんて面倒なことまた考えてる 底なしの沼がここにもあそ…