シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

#207 飛行機の中で

 マクドナルドで隣の人が盛大にこぼす。このマクドナルドは、マレーシアに修学旅行で行った時に、集合時刻の前に同級生がここでバーガーを買って話していた場所だ。その頃の私は集合時刻前にコーヒーを飲むとか、そういうことを思いつかない子供だったので驚いた記憶がある。

 誰かに行ってきますを言う。本当は全員に言いたいのに、時間もエネルギーも制限がある。世界は有限なのだ。この有限というのがきっと今年のキーワード。

 時間は 有限だからこそ挨拶はしっかりしないと。感謝は伝えないと。さよならもしっかり言わないと。
 わかっているのに、それが難しい。長い間、私は自分のことを「熱い」人間だと思っていたけれど、もしかしたらもう違うのかもしれない。傷つかないように、落ち込まないように、知らないふりを続けていたのかもしれない。知らないふりをしないといけない自分が嫌だ。環境が変われば、自分が強くなれば、何か変わるのだろうか。
 
 この数ヶ月は電源をオフにしていた感じ。そこまで落ち込まないでいいのに、自分を必要以上に過小評価して落ち込んでいた。そこはまだ奈落の底でもないのに、もう上に行くことを諦めていた。諦めた方がいいような気がしていた。
 友達に会って近況を聞いても「偉いなあ、自分には無理だなあ」という感想しか出てこなかった。それって結構危なくて、その「偉いなあ」を突き詰めると結局私が心の底で思っているのは「あなたは、いいですよね。〇〇ができて、〇〇があって、お金を稼いでいるんですから。私には〇〇も〇〇もなくて、もうダメです」ということだと思う。だから良くない。先に行っている人が羨ましいとか、自分には無理だなあという諦念とか、嫉妬心がある。それらを育てていった最後に、周りを傷つけるような気がする。怖い。きっとパッシブアグレッシブな言動が出てくるのだろう。もう出てる気もするし。

 何もかもきっと心の持ちようなんだと思う。今までの自分は、あれもやりたいこれもやりたい、全部やりたいとずっと思っている。でも時間は有限だから、できたことよりできなかったことの方が多く積み上がっていく。成し遂げたことに目をやらずに、自分を誉められなかったのが、今まで良くなかったように思う。自分を褒めるってどうやるんだろう。どうにかして自己肯定感を上げたいけれど。どうしたらいいだろう。とりあえず手頃に見つかった自己肯定感チェックシートにチェックしたら、12項目中、9個に当てはまった。これから1年後にまたチェックしよう。
 自分に自信があればもっと自由に振る舞えるのだろうと思う。もっと正直な感情表現ができるのだろう。人に頼むとか、質問するとか。そういうところまでできるようにならないと。そうじゃないと社会で生きるのが辛すぎてしまう。

 こうやって飛行機の中で機内食を食べていると、時間がまるで有限にあるように思えてくる。時速750キロで飛んでいるからもしかしたら相対性理論の影響を受けているのかもしれない。頭の中にはたくさんのアイディアが浮かぶけれど、地上に降りればそれらはまやかしになる。マジックは消えてしまう。楽しい夢も思いつきも、日常に組み込まれたら輝きが消える。でも自分が今思っている大事なことは、なんとか残しておきたくて、こうやって文章を書いている。
時間の流れは緩やかになることはあっても、時間が止まることはない。誰も彼も一歩一歩死へと近づいている。
フルに生きるには、大抵の事象には限りがあるということを常に知っておかないと。有限の時間にいい加減慣れていかないと。

 
 
 
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