ラーメン。あってもなくてもいい。毎日でなくても時々食べるだけでいい。行き詰まったように感じる人生も、暖簾をくぐって美味しいラーメンを啜れば、大丈夫。もしそれが「合わない」ラーメンだとしても心配無用。人生の問題はすぐに味覚の問題にすり替わるから。
2018年
06/22
麺や六三六 茶屋町店
麺屋六三六は私の好きなラーメンチェーンの一つなのだけど、もう梅田駅周辺には一つも無くなってしまった。私がパッと行ける範囲では江坂と、それから箕面キューズモールの近くにあるだけだ。初めて私を六三六に連れて行ってくれたのは浪人時代の友達、Tだと思うのだけど、定かではない。写真フォルダは、私がこの日、誰かと一緒に茶屋町の麺屋六三六に行って、NU茶屋町プラスにあったスタンダードブックストアに行ったことを教えてくれるだけだ。スタンダードブックストアは私が初めて多和田葉子の本を買った場所。なのだけれど、六三六と同じくいつの間にか無くなってしまった。ドイツ語を勉強していたTに借りたトマス・マンはまだ借りたまま部屋にある。彼は彼で、私の須賀敦子を持っているはず。もしかしたらもう売ってしまったかも。
麺屋六三六、野菜の甘みがたくさん感じられるスープはとても優しい味。つけ麺は、途中ですだちを入れて味を変えるのが美味しい。
08/09
松竹号当帰鴨(台湾台南市)
ここもめちゃ美味しい。でも場所は台南。なので正直「ラーメン」の枠からは出てしまうかも。写真でも伝わると思うけれど、モチモチの麺の上に鴨肉が乗り、スープと絡まっている。シンプルだけどすごく美味しい。生ぬるい台南の通りで、生ぬるい風に吹かれて友達とわいわい食べた。
味もさることながら、このお店で友達と一瞬ギクシャクしたことも思い出である。2017年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で台湾の友達ができて以来、台湾にハマっていた私は夏休み、台南でのサマースクールに参加した。勉強というより、遊んでばかりの2週間だった。ゼーランディア城に行ったり、友達と小籠包を食べたり、球場で野球を観たり、本当に人生の夏休みという感じだった。どうしてだか忘れたけど、ベトナム人の友達と晩御飯の間に変な感じになってしまった。喧嘩みたいになったのだけれど、でも次の日には元通りになって、寮の一室でまた一緒に騒いだ。それもまた思い出。思い出の上にまた思い出。
09/02
まんねん 梅田本店
梅田、東通にあるラーメン屋さん。Jに教えてもらった。大学生活を通じて、というか人生を通じて、Jとはずっと散歩している。浪人時代も高校時代も、何だかずっと一緒にいた気がする。会う時は大抵大阪の街を歩いて、目につく古本屋に入ったりすることが多いのだけれど、いつしかよくラーメンも食べるようになった。この大学で見つけたラーメン屋のリストの中にはJと一緒に「発見」したお店がたくさんある。
まんねんは、旨くて安くて、しかも深夜でも開いている。いつかの高校の同窓会の時も、二次会のカラオケ後、明け方にみんなでラーメンを食べた。Jに倣って私はいつもチャーハンセットを頼む。
09/08
武蔵坊 上八丁掘店(広島市中区)
2018年は広島に3回も出かけた。3月の自転車旅行、9月のインターン 。秋にも母親との自動車旅行で寄った。この時のインターンは福山市の主催のもので、Facebookで福山出身の先輩がシェアしていて知った。福山に2日間滞在した後、インターン終わりに広島まで足を伸ばした。同じインターンの人と一緒に新幹線に乗ったのだった。初対面からビビビがあって、いつまでも話していたかった。今は連絡を取ってないけれど、コロナ禍になるくらいまでは時々LINEをしたりしていた。今は広島の銀行で働いているらしい。元気だろうか。また話したいな。
広島ではその人に教えてもらった「ゲストハウス縁」というところに泊まった。出会いとか別れとか、人がすれ違って行くことを考えていたら寝れなくて、音楽を聴きながらずっと日記を書いていた。案の定次の日は起きれず、行こうと思っていたジブリ大博覧会は長蛇の列だった。戦争の次に行列が嫌いな私は、県立美術館でのジブリを諦め、お昼なので近くにあるお店に入った。広島名物の汁なし坦々麺。胡麻の風味が効いて美味しかった。山椒をかけると味が変わって面白かった。
すぐ近くの広島城には池田勇人の像と被曝したユーカリの木があった。「ジブリの代わりに」と思って入ったひろしま美術館はピカソやローランサンの絵があって、結構長い時間いた。一番気に入ったのはユトリロの絵で、街も建物も構図はありきたりに思えるのに、どうしてこんなに見入ってしまうのだろうと不思議に思ったのを覚えている。
09/14
洛二神(大阪市北区)
「これまでの人生で一緒に散歩したランキング」を作るとしたら1位と2位はもう決まっている。Jと、それからイチさんとは数えきれないほど散歩をした。この日もイチさんと一緒に梅田とその周辺を歩き回った。レトロ印刷に行って、中崎町を歩いて、天五中崎通商店街を歩いて、提灯に書かれた「魚系」の文字に惹かれて入った。つけ麺を食べて、とても美味しかったのを覚えている。お互いの夏休みのことを話したり、イチさんの進路のことを聞いたりしたと思う。お笑いとか映画とか音楽とか、いつものようにそういうのを話したのだと思う。
洛二神、その後リピートはしていないのだけど、それは値段の割に量が物足りなく感じたからだと思う。つけ麺はラーメンよりも値段を高く設定されていることが多いので、50円ほどの差でリピートできたりできなかったりする。
10/26
麩にかけろ 中崎壱丁(大阪市北区)
これもまた中崎町。しかも同じ天五中崎通商店街。東の天神橋筋商店街に突き当たるところに洛二神があって、西の端にはこのお店「麩にかけろ」がある。いやあった。この前通ったらいつの間にか無くなっていた。キワタという珍しい名字の友達と行った。大学1年生の時によく喋っていたサークルの友達。彼はいつまでもウダウダ言っている甘ちゃんな私よりもはるかに大人で、プログラマーとしてインターンに参加してお金を稼ぎ、回らない寿司を食べていた。そんな彼が教えてくれるラーメン屋が美味しくないはずがなかった。ラーメンは器の上に海苔がかぶさった状態で出てくるのだけど、まずその海苔がとても美味しかった。噛めば味があり、スープに溶かしてもよく合うのだ。ネギも何種類かのチャーシューも絶品だった。キワタは大学で初めて出来た友達の一人なのだけれど、この時を最後にずっと会っていない。休学する前に相談するくらいは仲がよかったと思うし、このブログを始めた時も、最初の方に彼がコメントをしてくれていた。元気でいてくれてたらいいなと思う。
11/16
麺や六三六 大阪総本店
これまた閉店したお店。この日はユージンとJ、それからYと一緒に舞台を観に行った。ラーメンは劇の後で食べた。めがねこと、渡邉みなが梅田のHEP HALLで初めて舞台に出るというので3人を誘って観に行ったのだけど、久しぶりに観た舞台の余韻に浸って、高揚した気持ちで色々話しながら麺を啜った。
めがねは、ひょんなことから知り合ったYouTuberの友達なんだけど、忘れずに舞台のことをLINEで教えてくれたのも嬉しかったし、知っている人が少しずつ有名になって活躍しているのは、そもそもそれ自体嬉しいことだ。勇気をもらえるのだ。遠くからだけど、YouTubeも少ししか見ていないけれど、でも活躍してるのは知ってるし、刺激をもらってます。機会があったらまた会おう(届け!)。
ちなみに、ユージンは浪人時代からの付き合いで同じ大学の同じ学部に入った友達である。中学時代からの仲であるJとYは、ユージンとは初対面だったのだけど、同じ劇を観て同じラーメンを食べたからか、ずっといい雰囲気だった。友人を繋げるという面白さを初めて感じたのはこの日である。
【今日の音楽】