シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

#170 ミスドで大学生活を振り返ろう(2)神戸編

 大学生になったらスタバに行こう。そう思ってはいたものの、大学時代も、高校時代と同じくミスドに入り浸っていた。スタバの方がおしゃれなイメージがあるけれど、おしゃれ過ぎる感じがしたり、大人が使う場所という感じがあって、結局私はミスドから卒業できずに居座り続けている。
 
 
JR住吉ショップ(ショップNo.0614)

 2018年末から19年の年始にかけて心療内科に通っていた。精神科医の先生は「君は大丈夫だよ」と最初の診察で言ってのけた。その時に受けた悪い印象を私はずっと引きずってしまい、最後まで先生との会話は噛み合わなかった。自信の無い時、私は相手の第一印象を最後まで引きずる傾向にあるようだ。
 2回目以降はほとんどカウンセラーの人と話した。自分としては病気だと思っていたし、少なくとも何かしら自分を定義してくれる言葉が欲しかった。何かしらの定義があれば少しは心が軽くなる気がしていた。そんなわけないのに。「理解してくれ!」って叫びながら、目に入る全てのドアをノックしては、拒絶されるような感じだった。
 その心療内科の最寄りがJR住吉で、カウンセリングの後によくここでコーヒーを飲んでいた。大きな窓があって、街を歩く人が見えるのだけれど、目に映る人全員が、人生がうまく行っているように感じられて嫌になった。本を読んでノートを書いていた。あんまり覚えていないけど、当時のノートはまだ残っている。読んでみたい気持ちはあるけれど、落ち込みそうなので今じゃなくていいやと思う。

 阪急御影から弓弦羽神社を通ってカウンセリングを受け、最後にJR住吉のミスドでコーヒーを飲みながらノートを書くというのが診察日の流れだった。散歩するにはいい場所なのだけど、憂鬱だった。雲ばかり見て、晴れ間を見ず、人生は曇り空だと思っていた。


 
 
三宮本通りショップ(ショップNo.0961)

三宮駅

古き良きミスドの象徴とも言える黄色のトレイ
 ミスドの多くのショップで内装がリニューアルされて、トイレや壁のデザインが新しくなったりしているのだけれど、ここは「古き良きミスド」という感じの雰囲気があって大好きな店である。再開発が進んで古い場所が消えている三宮にあって、昔風のミスドがあるのはなんだか嬉しくて、三宮を歩くときは意味もなく店の前を通ったりする。アーケードのある商店街に面していて、窓から日光が差さないので、冬は昼間でも暗くて寒い。2階の窓から商店街を見下ろせるのだけれど、それが結構好きで、よく人間観察をした。おしゃれな神戸の街でも、このミスドに集って話している人には、高級な感じもおしゃれな感じもあまりなくて、居心地が良かった。

中華街
 大学に入ってから三宮に行く機会は増えた。留学生や神戸以外の出身の人に街を案内したりしたし、通っていたドキュメンタリー映像の塾も元町だった。本当に素敵な街だ。神戸港で風に吹かれながら海を眺めるのも好きだし、ロープウェイで布引のハーブ園まで行くのも好き。坂を登って洋館がある地区に行くのも楽しい。新開地から湊川公園までの道も好きだ。神戸は一つの街にいろんな側面があって、飽きない。大学時代、何度も行って、どの都度思い出ができた。ゴビゴビ砂漠と一緒に県立美術館から三宮まで歩いたこととか、アッペンと春日野道のくら寿司で食べたこととか、エジプト人の留学生と一緒に神戸モスクに入ったとか、本当に思い出がたくさん。どれも大切な思い出だ。
 三宮本通りのミスドは少しJRや阪急の駅から離れていて、具体的に誰と行ったという思い出はないけれど、私にとって大事な場所だ。駅前はこれから再開発されるらしい。街の風景もこれから少しずつ変わるのだろうけれど、ミスドは残って欲しいなと思う。

ポートタワーの上から

相楽園

布引ハーブ園
 
 
 
新長田ショップ(ショップNo.0251)

 後輩のAと行った。私が「子どもの頃遠足で行った須磨水族館に行ってみよう!」と言い出して、本当に行った。須磨水族館は、リゾート施設を併設させる計画があってその時も工事をしていた。何だか嫌な感じがした。須磨の海水浴場の人気がどれだけあったとしても、夏場以外に人が来るとは思えないし、失敗に終わる計画な気がしている。イルカのプールがなくなっていて、ペンギンが屋上で飼育されていた。小さい時に私が感銘を受けた「アマゾン館」という施設がなくなっていて、ピラルクやピラニア、ヤドクトカゲやヘビがいなくなっていた。ほとんど誰にも言ってないけれど、私が初めて文学賞に出した作品は動物園の爬虫類館が舞台で、モデルはアマゾン館だった。飼育員がヘビを逃すという『ハリーポッターと賢者の石』の序盤と同じ話だった。

 2020年に落ち込んだ時期、動物の動画ばかり見ていた。「The Dodo」というYouTubeチャンネルにある人間と動物の動画ばかり見ていたので、必然的に動物園や水族館に出かけるようになった。いつかどこかでダイビングしたいと思うようになったし、草原の広がる場所で保護いた動物と一緒に過ごす老後もいいなあと思うようになった。

神戸は商店街が多いから歩くのが楽しい
 スマスイ(須磨水族館のこと)からはぶらぶら歩いて、駒ヶ林ブックオフでダラダラ本を見た。それから新長田まで歩いて、ミスドでコーヒーを飲んで解散。Aは留学に行く前で、私は大学院の試験結果を待ちながらやきもきしている時期だった。毎日の愚痴を言って解散した。「コーヒーをおかわりできるの最高ですよね」ってしきりに後輩は言っていた。私は大学を卒業してしまったけれど、今でも時々電話する。

ブックオフでは伊坂幸太郎を買った
 
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