シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

#149 ロシアプレミアリーグのすすめ

 

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 ロシア語を勉強するのなら、せっかくならロシアブレミアリーグを知っておきたい。そんな風に思っていた時期もあった。そんな風に「○○なら、○○しないといけない」なんていう考え方はもう古いし、視野を狭めてしまうことに繋がるのだけど、時々そんな風に考えに陥ってしまう。「ロシア語を学ぶならモスクワに行かないと」とか「ロシア語専攻ならドストエフスキーを読まないと」なんていう風なことを他人から言われたりもする。「中央アジアポーランドが好きでロシア語を選んだんだけど」と心の中で思いながら聞き流す。今はそうじゃないけど、最初はトルストイドストエフスキーも興味を持てなかった。

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 ロシアプレミアリーグを見るのは、2022年1月現在なら簡単である。YouTubeを開けて「russian premier liga」と検索するだけ。試合が全部観れる。ちゃんと調べたわけじゃないけど、本当に全部観れると思う。リアルタイムの試合はメンバーシップにならないといけないらしいが、アーカイブで観るなら無料だ。これはかなりすごい。イングランドやスペイン、イタリアのリーグを観たいなら、ダゾーン(DAZN)に契約しないといけないけれど、ロシアプレミアリーグはただで観れる。最高だ。でも誰も観ない。ロストフにはA代表でも出場経験のある日本人の橋本拳人が所属しているのに、身の回りでもSNSでもロシアプレミアリーグのことは誰も話していない。私も服飾史の授業でS先生と話す以外にロシアサッカーの話をしていない。YouTubeの再生回数も全然伸びていない。もし本田圭佑CSKAに所属していた頃なら日本人はこぞって観ていたとも思う。ちなみに本田と共にプレーしていたCSKAゴールキーパーアキンフェエフ35歳となった今も健在である。昔よりもいい日本人選手は増えたけれど、でも本田と香川と長友と内田がチャンピオンズリーグに出ていたあの時代もすごかったと思う。

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 TransferMarktというサッカーを扱うドイツのサイトがある。そこではリーグごとの価値を比べられるページがある。そこではロシアリーグは欧州各国リーグの中で7番目の価値があるらしい。1位はイングランドで、スペイン、イタリア、ドイツ、フランスと続く。ドイツまでを欧州4大リーグ、フランスを入れて5大リーグと言ったりする。続いて、少し離れてポルトガルのプリメイラ・リーガがあって、その次がロシアプレミアリーグ。ちなみに8位はオランダリーグ「エールディビジ」。ダゾーンで見られるのは、イングランドプレミアリーグ、スペインのリーガエスパニョーラ、イタリアセリエA、あとスコットランドやベルギーのリーグも観れるはず。ちなみにブンデスリーガを観たい人はスカパーと契約しないといけないし、UEFA主催のチャンピオンズリーグヨーロッパリーグといった大会を観たい人は、WOWOWと契約しないといけない。観られるサッカーの試合は増えたけれど、その分お金がかかるようになっている。ネイションリーグみたいな、商業主義の亡者が作ったような大会が増えてきてげんなりする。高校時代にテレビで放送しているEURO2012を観れるだけ観ていたあの頃が懐かしい。ポーランドウクライナの共催で、シェフチェンコがユニフォームを脱いだ大会。バロテッリカッサーノディナターレディアマンティといったユニークな選手が活躍してイタリアが準優勝になった大会。両サイドでマッジョジャッケリーニがめちゃくちゃ走って、中盤のピルロモントリーヴォから息をのむようなパスが出ていた。優勝したスペイン代表にはセスクとかフェルナンド・トーレスとかがいたとと思う。スペイン代表は強かったんだけど2014年のワールドカップでは初戦でオランダのファンペルシーとロッベンにやられてしまって、グループステージで敗退した。

 EURO2020はわざわざWOWOWに加入して全試合観たけれど、多分もうしない。体力的にしんどかった。楽しかったけど、寝不足学校に行くのがつらかったのでもうやらないと思う。それに何度も書くようにスポーツも結局お金なのだ。好きなチームへの情熱、フットボールへの愛は純粋なものであるべきなのになあ。

 東京オリンピックは放映権が高すぎて、国内で放送できないような国もあったらしい。スポーツがお金持ちの遊びでしかないように思えてしまう今日この頃であるが、他方、YouTubeで全部観られるロシアプレミアリーグはお財布に優しい。新しい年はロシアプレミアリーグを観ることにしよう、そう決めてロシアプレミアリーグを調べたものの、応援するチームを決めるのに時間がかかった。

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授業のパワーポイントから。ロシアのサッカー協会は1912年に成立、FIFAに加入した

 どの国にも名門と呼ばれるサッカーチームがある。直近の3シーズンはゼニト・サンクトペテルブルクというチームが連覇している。今年も18節が終わった時点で1位だ。だから、ゼニトを応援するのはちょっと捻りがないというか、面白くないと思った。S先生は、サッカー雑誌にコラムを書くほどのフットボールファンなのだけど、ゼニトファンだ。先生と応援するチームが被るのは嫌だったので、ゼニトはやめることにした。

 今年躍進しているディナモ・モスクワは、才能ある若手が多くて見ていて楽しい。が、いかんせんチームロゴがださい。いかにも元共産圏のチームという感じするので、除外することにする。ここら辺に、世界のマーケットを意識していないロシアサッカーの風潮がある気がする。

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右上から時計回りに、ロコモティフ、ディナモ、CSKA、スパルタク


 ロシアプレミアリーグで戦うチームの中でモスクワをホームとするチームは4つ。ディナモの他に3チームある。
CSKA、スパルタク、そしてロコモティフ。

 本田圭佑が所属していたことでおなじみのCSKAモスクワも強いチームだ。ロシア国内で結果を出し続け、ヨーロッパリーグチャンピオンズリーグにも20年に渡って出場している。若干19歳でEURO2020に出場していたムーヒンや10番のジャゴエフ、ブラジル出身でロシアに帰化した右サイドバックのマリオ・フェルナンデスなど好きな選手は多いけれど、赤青のユニフォームが昔からあまり好きじゃなくて、自分がユニフォームを着ているところとかは想像できなかった。ロゴはそれなりにかっこいいと思う。

 ロコモティフは、あまり知っている選手がいなかった。ポーランド代表のクリフォビアクがいると思っていたけれど、彼はいつのまにかクラスノダールに移籍していた。ブラジルから帰化したゴールキーパー、ギェレルメや、2018年のワールドカップでロシアのスタメンFWだったスモロフがいた。意外なことにクロアチア人のイェドバイがいた。ローマで期待の若手と呼ばれていた彼がロシアに流れ着いているのは知らなかった。サイドバックとして彼しか知らなかったけれど、ロコモティフでの起用は主にセンターバックのようだ。調べたらレヴァークーゼンにいた頃から、最終ラインならどこでもできるような選手になったみたいだ。彼のような選手がチームにいると、怪我人が出た時に心強い。スタメンが発表されても、試合が始まるまではどこで起用されるのかわからないのも面白い。元リヴァプールマスチェラーノとか、元ユベントスのパドインとかはそんな選手だ。アーセナルのナイルズもそんな風になってほしかったけれど、彼は退団するらしい。ローマに期限付きで移籍してしまった。

 ロコモティフ、2013年に刷新されたというクラブロゴもめちゃかっこいいし、ユニフォームのデザインもいいし、ホームページのデザインもかっこいいのだけど、知っている選手が少ないのと、プレースタイルがあまり好きじゃなくて、応援するほどではないとなってしまった。

 結局、「赤色が好き」「ユニフォームがかっこいい」「知っている選手がいる」という理由でスパルタクを応援することにした。ロシアプレミアリーグの中でも資金面ではトップにいるけれど、今シーズンは低迷していて現在9位。ウィンターブレーク前の試合でも退場者を出したソチに0-3で負けていた。ロシア代表でキャプテンマークを巻くことが多いジキヤや、元チェルシーのモーゼス、オランダ代表のプロメスといった選手を揃えているのに、勝てていない。ポルトガル人監督のルイ・ヴィトーリアは年末に解任されてしまった。ヨーロッパリーグではナポリやレスターとった強豪を抑えてグループステージを首位で通過しているので、今シーズンは当面ヨーロッパリーグにプライオリティを置くのだと思う。新しく来たイタリア人コーチ、パオロ・ヴァノーロも、監督経験こそ少ないが、育成年代のイタリア代表でコーチをしていて、A代表のアシスタントを務めた後は、チェルシーインテルでも働いているので、経歴は十分そうだ。これからウィンターブレーク明けの2月末までにチーム作りをどれだけできるだろうか。シーズン後半戦のスパルタクに期待である。

 2022年も色々あるだろうが、サッカーに関しては、アーセナルとスパルタクモスクワを応援していきたいと思う。

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