シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいる者です 文章を書くのを仕事にするのが目標です。夢は世界一周です

#146 永遠の入り口

誰かと仲良くなる。「○○が好きなの?」「一緒だね」「似てるね!」そういうやりとりが繰り返されて、束の間私はうっとりしてしまう。共通点がたくさん。育った町や行った場所。好きなバンド、スポーツチーム、アイドル。出会った日はうっとりしながら帰る。…

#145 そこにいたこと

※読む人によってはつらい箇所もあるかもしれません。予めご了承ください。 日記によると私が荒浜と石巻を訪ねたのは2018年の1月19日と20日らしい。津波の被害を受けた沿岸部は災害危険区域となり、かさ上げ工事がされていた。吸い込む空気の中に砂ぼこりを感…

#144 9歳の私へ

お元気ですか? 愚問ですね。なんせずっと病棟にいるんですもんね。お疲れ様です。色々とつらいこともあるでしょうが頑張ってください。あなたが——当時の私が——つらいと思っていたかどうかは、実は思い出せません。入院するとわかった時に泣いたのは覚えてい…

#143 病棟の日々

入院しています。何から書けばいいのか迷っているうちにもう38日目になってしまいました。病院での生活は今のところ順調です。8月初めの二度目の手術が終わった後、しばらく車椅子の上で安静にしないといけなかったのですが、それも金曜日で終わりで、昨日か…

#142 グループE第1節 ポーランド-スロバキア

スロバキアが青の、ポーランドは白のファーストキットを着た。スロバキアの青いユニフォームは一見ブラシで適当につけたようなカモフラ柄に見えるけれど、実は国内の山地をイメージしたデザインらしい。正直、こういうユニフォームのデザインって紋章やマー…

#141 グループA第1節ウェールズ-スイス  

会場はバクーだった。そうあのバクー。アーセナルがチェルシーにボコボコにされた18-19ヨーロッパリーグファイナルの舞台。アゼルバイジャンでの試合ということでアルメニア人のムヒタリアンが入国できなかった決勝戦。ペトル・チェフはこの試合を最後に現役…

#140 EURO2020開幕

わお。もうEUEOが開幕するのか。この前まで5月病について友達と話していたというのに。 この一か月ずっと精神的につらくて、寝たり起きたり食べたりが生活の中心だった。働きたくなくて、寝てラジオを聴いて、時々思いついたように本を読んだ。 中国では「寝…

#139 3歳の私へ

お元気ですか。車の名前はけっこう覚えましたか? 手術の後の経過はどうですか? 手術のことはどのくらい覚えていますか? 手術台の上にあるあの光は無影灯というらしいです。20年以上経っても手術室の上で無影灯が光った瞬間のことを覚えています。めちゃく…

#138 『LA LA LAND』いつかたどり着く場所

昔描いた絵 もう3回目だからぼんやりと観ていた。何となく水族館に似ているなと思った。照明が暗い通路と屈折して散らばる光の線。大水槽には悠々とジンベエザメが泳ぎ、水紋がそのまま影となって足元で揺れ、光に照らされた中を大小たくさんのクラゲがと浮…

#137 13歳の私へ

13歳の私へ お元気ですか。中学校には慣れましたか。 まあ慣れてないですよね。毎日毎日つまらない日々ですよね。12年経ってもまだ思うのだから、あなたはもっとつまらなく思っているのでしょう。 中学校に入学して、電車で通学するようになって、部活も塾も…

#136 うにょうにょうにょーん

自信がない。どうしてこんなに自信がないのか一週間ぐらい考えていて、ほら例年よりも大幅に早い梅雨入りとかなんとかで雨ばっかりだから、心もどんよりしている。今日はずっとオードリーのオールナイトニッポンと真空ジェシカのラジオ父ちゃんを聴いていた…

#135 青春18きっぷの旅(2)

どうしてこうなるかなあって思った。旅先でこんなことになるなんて。この一年間ほとんど公共交通機関を使ってないのに。「常磐線は未明の事故のために途中の区間では運転が再開していません」なんてちょっとアンラッキーすぎる。 上野から乗って水戸に行きた…

#134【ネタ】悪口をわざわざ伝えてくる人

【ネタ】悪口をわざわざ伝えてくる人 A:直接さ、面と向かって伝えられるならまだしもさ B:うん A:誰かが言った悪口を教えてくれる人いるやん B:いるよね。悪口を伝えてくるやつ A:あの人たちめちゃ腹立つよね B:それな。何の得にもならないのにな A:…

#133【ネタ】復讐

ネタ「復讐」 A:今度うちでホームパーティーするんやけど B:うわいいなあ。大人になった感じするなあそれ A:いいやろ。でも一つだけ問題があって B:うんなになに? A:一人嫌な奴がおんねん B:そうなんや。まあそういうこともあるよね A:どうしようっ…

#132【ネタ】運命の人

ネタ「運命の人」 A:ねえ、運命の人って信じる? B:そうやなあ。結局人生ってなりゆきやと思うから、信じへんな A:信じてないんや。珍しいな B:珍しい、、、かなあ A:珍しいよー。珍しいし、ロマンもないな。人生何が楽しいん? B:そこまで言う? A:…

#131 青春18きっぷの旅(1)

語りたいのに語れない。書きたいのに言葉が見つからない。そんな風にして記録されないままの感情が、心の揺れが、思い付きは私の頭の中で次第に風化していき、忘却のブラックホールに吸い込まれていく。先週、いやもう先々週のことか。青春18きっぷで旅行し…

#130【ネタ】逆走

ネタ「逆走」 A:突然なんやけどさ、高速道路を逆走したら、コロナウイルスが流行らなかった場合の2020年夏にに行けるってしってた? B:え?そうなん。ほな東京オリンピック行けるやん A:せやねん。だから高速道路を逆走する人が後を絶たないわけよ B:な…

#129【ネタ】待ち合わせ

ネタ「待ち合わせ」 A: 待ち合わせ場所で待つ時ってさ緊張せん? B: 緊張するな A: まず相手がいるかどうか探さなあかんやん。しかも同時にLINEもチェックしなあかんやん B: せやな、あれがめんどいんよね。遅れてる可能性もあるから A: そう。待ち合わせの…

【お知らせ】

【お知らせ】 この度、音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オンドットコム)の中にある音楽文というところに、私が書いた「いつかすずらん通りで」が掲載されました。大好きなラッキーオールドサンというアーティストについて書いたのですが、ラッキー…

#128【書籍紹介】『あわいゆくころ 陸前高田、震災後を生きる』瀬尾夏美(2019)晶文社

ある村がダムの底に沈むことになった。村人たちは満ちていく水を見ながら過ぎた日々のことを思い、語らい合った。ある村人は都会に出た。またある家族は親類の伝手を頼って、近くの村に移り住んだ。一人のおじいさんがいた。おじいさんは思い出のたくさんあ…

#127【映画紹介】『コーヒーをめぐる冒険』(2012)

16歳の時に映画『桐島、部活やめるってよ』を観た。人間は同じ空間に存在していても、別々の視点で物事を見て、各々の感じ方で世界を切り取っている。同じ出来事を前にしても人間は別々の反応をする。正しいとか正しくないとか、そういうのじゃなくて、なぜ…

#126 記憶たち

わりと根に持つタイプである。記憶がいいのもあると思う。私が2歳の時に母親が妊娠したことも、妹か弟かわかる前におなかの中で死んでしまったことも覚えている。病院の椅子に座る母に「どうして? どうしておなかの赤ちゃんはいなくなっちゃったの?」と尋…

#125 裏切り

裏切り ウッディーアレンに憧れて 映画監督になろうとしてた 14歳の冬だった 人生が転がり始めた 生まれて初めて観た映画 図書館ブースのスタンドバイミー 5歳の僕にはわからなかった 永遠も死も吹き抜ける風も ああ時がくれば たくさんのことが 少しくらい…

#124【映画紹介】『長い見送り』(1971)キラ・ムラートワ監督

映画監督セルゲイ・ロズニツァは全ロシア映画大学(以下VGIK)の映像編集の授業で『Короткие встречи(『Brief Encounter』)』と『Долгие проводы(英題『Long Farewell』日本語題『長い見送り』)』を解説する教授の言葉を覚えている。 「こんなやり方はあ…

#123 松山から高松

◎令和元年 9月4日 書きたいことがたくさんある。忘れたくないことが星の数ほどある。 「山ほど」という言葉や「沢山」という言葉の語源はどこにあるのだろう。やはり日本が山がちだからこそ出来た言葉なのだろうか。この旅でもたくさんの山をみた。今日も松…

#122 部屋の整理(2)

子供向けの国旗の本。保育所に通っていた時、国旗の本をおばあちゃんに買ってもらった。たしかクリスマスプレゼントだったと思う。朝起きたら枕元に一目見ただけで中身が本だとわかる包みがあって、開けると色とりどりの国旗の絵が入った表紙が目に入った。…

#121 部屋の整理(1)

例題12「次の日本後の文章をロシア語に訳しなさい」 「自分は他人とは違う」「自分こそが××にふさわしい」という慢心、他者への優越。今の自分が「しんどく」なっている原因はこういたものなのではないだろうかと思った。O大学に入った時、周囲のことをなん…

#120 固執

固執 時間が止まったように感じられることは? 自分だけが暗い穴を落ちていくのに、世界は私には気づかないで昨日と同じ顔で回り続ける 不公平だと思ったことは? 忘れてしまったの? あんなにも怒っていたのに あの頃、あなたは私の側にいて、私と同じよう…

#119 ぺルテス病と自意識

小さい頃、街で車いすの人を見かけた。私はその人のことをかわいそうだと思った。その人は守られるべき対象で優しく接しないといけない。その人には誰しもが無償の愛情を注がないといけない。私はそういう風に考える、少し変わった、気持ちの悪い子どもだっ…

#118 理想と現実。ある大学生の場合 後編

大学生になったらアルバイトをたくさんするのだと思っていた。 最初に始めたのはイベントスタッフ。初めて入ったのがインテックス大阪でのKANA-BOONのライブだった。『フルドライブ』や『ないものねだり』のような有名な数曲ぐらいしか知らなかった私は、観…