〈詩のコーナー〉
23歳
もうなんの感動もないなんて
うそぶいても強がっても
本当はずっと意識していた
23歳は大人だと思っていたのに
私はまだまだ子供で
彼らのようなはっきりとした輪郭を持たない
それがあなたの魅力。
なんて言われてもピンとこない
また馬鹿にされたと思うだけ
欲しいものがなくなって
なりたいものもなくなった
生きている実感さえ薄れてきて
なのに食欲はわく
若いといってほめる人
若いからと見下す人
あんたらみたいにゃなりたかないと
それだけは確かに言える
分別がつく年齢
自覚持つべき年齢
なんて言われる日々がもうそこに迫る
クソ食らえとは思うけど
彼らともうまくやらないといけない
そうしないと死んでしまうから
今怖いのはなにも見えないこと
16歳の夏はまだ
いずれわかると思ってた
今日23歳になったけれど
未だになにもわからない
糸口さえもつかめない
自動車免許をとったとか
コーヒーをブラックで飲めるとか
それなら簡単だけど
でも探しているのはそれじゃない
積み上げて来た年月が
私を作ったのはわかるけど
確かなものはどこにもなくて
だから今日もかき集めて残そうとしている
【ひとこと】
「うそぶく」って「嘯く」って書くんですね。ちゃんと意識して読んだの初めてです。
ちょっとしんどくて昨日も今日も最悪な気分だったんですけど、表現するタイミングなのかなと思って深夜のマクドナルドで書きました。
最近ヒップホップを聴き始めたのですが、やはり自分の想い発信していく人たちってかっこいいですね。自分の言葉をなかなかうまく言えないのでフリースタイルダンジョンとかすごく憧れますね。
〈付録~50年前の高野悦子~〉
2019年6月末までの間、ブログの終わりに、高野悦子著『ニ十歳の原点』の文章を引用していました。『ニ十歳の原点』は1969年の1月から6月にわたって書かれた日記なのですが、読んでいて思うことが多々あるので、響いた箇所を少しずつ書き写していましたが、7月になったので一旦今回の投稿で『ニ十歳の原点』は最後にします。
◎六月二十二日
旅に出よう
テントとシュラフの入ったザックをしょい
ポケットには一箱の煙草と笛をもち
旅に出よう
出発の日は雨がよい
霧のようにやわらかい春の雨の日がよい
萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら