シゲブログ ~避役的放浪記~

大学でロシア語を学んでいました。関西、箱根を経て、今は北ドイツで働いています。B2レベルのドイツ語に達するのが目標です

些細な事

#228 OK。眉毛は後回し

眉間に毛が生えていて、そろそろ切らないといけないなあとか考えている。そういえば昨日スーパー並んでいる時、前に並んでいたお爺さんがとても立派な眉毛をしていたなあと何となく思い出す。その前に並んでいたお爺さんがかなりの曲者で、レジの人と何やら…

#225 黒と紫

小さい頃から自分か我慢すれば物事が解決することが多かった。父と暮らしていた時も、祖父母の家に毎週行く時も、私は自分が何をやりたいのかわからないまま生きてきた。 ゲームもテレビも漫画も欲しかったけれど禁止されていた。硬い感受性のままに生きた。…

#224 フェンネルのスープ

フェンネルのスープだっけ。それともフェンネルとプロッコリーのスープだっけ。あれどっちだろう。そう思ってMさんに連絡する。なぜか今回はすぐに返事が来る。きっと、簡単に返事できる内容だったんだ。正しくは「フェンネルとブロッコリーのスープ」 去年…

#218 ギャップ。外見と内面、それから言語

カフェ、レインハート ドイツにいるのに、今日はほとんど誰とも話していない。教えてもらったカフェにいて文章を書いている。「コーヒーキャンプ」とカタカナが書かれた帽子をかぶるのを、いい加減やめた方がいいのかもしれない。私がカタカナの帽子をかぶっ…

#209 167番のバス

地下鉄から乗り換えて、駅前でバスを待つ。私の乗る27番のバスはさっきから待てど暮らせどやって来ない。この5分ぐらいずっと「あと12分で到着」のままだ。ちょうどラッシュアワーで、バス停の周りは人で溢れている。ドイツ語で電話に向かって何か叫んでいる…

#204 毎週あっているかのように話せる人・加速する寂しさ

毎週会っているかのように話せた。その事実がとても嬉しかった。そう感じているのが私だけでなかったらいいなと思った。 私は誰かと別れる時が苦手で、時々どうしようもなく辛くなってしまう。駅構内だったり、ホテルの前だったり、交差点だったり、場所はど…

#203 恋とか愛とか。あと内面化したマッチョイズムとの向き合い方とか

シーブリーズのCMもポカリスエットの広告も、FMから流れてくるJポップのヒットチャートも、私達を焦らせていた。高校生活のうちに恋愛をしておかないとダメな気がしていた。でも部活をやって勉強もして、塾にも行って、読みたい本もあって。恋愛するなんてそ…

#202 恋とか愛とか。それから鬱とか

誰かを好きで好きでたまらない時の自分が好きじゃない。落ち込んでいる時、鬱状態の時、その人が自分にとってまるで救世主にように見える時がある。その人と一緒にならないと私はもう救われないような気分。その人なら私のことを全て理解して包み込んでくれ…

#201 恋とか愛とか

この道の先に、肘掛け椅子に座った未来が、私を待ち受けているとして、そこには何があるのだろう。恋愛? 結婚? 小説が売れて家族のためにマイホームを購入? 世代を超えて家族のメンバーと調和している? 2023年にいる私は、うまく将来を思い描けない。そ…

#189 オーストラリアに行く日

まだオーストラリアに行ったことがない。私の初めての海外旅行はモンゴルだった。日本人としては珍しいと思う。 オーストラリアが初の海外渡航になる可能性もあった。中学校の英語研修がオーストラリアだったのだ。希望者が研修内容をプレゼンし、プレゼンが…

#188 秋が来る

秋になった。でもどのタイミングで秋になったのかはやっぱりわからない。 北大阪にある学校(中学校と高校は同じところに通った)にいた10代の頃、秋を感じる暇などなかった。気づいたら桜の葉が紅色に染まっていて、そして茶色になり散った。住んでいる街に…

#187 友達のジャズを聴く

で、今の私は吉祥寺のジャズバーStringsでカプリチョーザを食べている。正しい場所の名前はLive Bar & Italian Restaurant Stringsというらしい。イギリスじゃなくてグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国。ハクじゃなくてニギハヤミコハクヌシ。パ…

#186 パリピになろう計画。序

これは300Barの近くにあったオイスターバー 東京に着く度に、東京が苦手だと思う。小田急線で小田原から新宿。始点から終点まで。寝ていたら一瞬だった。経堂や祖師ヶ谷大蔵、下北沢。知り合いが住む街を抜ければもうそこは新宿。すでに体が重い。ゲストハウ…

#184 初めて時間を意識した時

80歳まで生きられるとして、人間が一生に生きる時間は4000週間しかないらしい。昨日読んだ本の冒頭にそんなことが書いていた。そう考えると一生はとても短い。私は今26歳で既に人生の3分の1を生きたことになる。残りの時間は2600週余り。これから1日に1円ず…

#180 幸せってなんだろう

ラッキーオールドサンの曲「フューチュラマ」の歌詞にこんな箇所がある。 「幸せって何だろう? 青梅行きのホームで」 関西出身の私はわざわざ東京に行って、中央線のどこかの駅に降りて、歌詞の通りに青梅行きの電車を待ってみたけれど、別に幸せは見えなか…

#177 セルフネグレクトして死んだ父のこと

父が死んだ。 本当に死んだ。嘘みたいだ。去年の7月に自分が交通事故に遭った時も嘘みたいだと思ったけれど、それと同じくらい信じられない。 5月の2週目の火曜日。夜。普段は来ないSMSのメッセージが来ていた。父の姉だった。 「あなたの父親について連…

#155 2月と3月は、人間が好きになる。

どう考えても人間が好きなのだと思う。生きる意味とか、やりたいこととか、そういうのは明確にはわかっていないし、これから理解できるのかも未知数だけど、人間が好きだということは変わらないと思う。人間が好きで、それだから生きているとまで思う。もち…

#153 今日の出来事

今日はいくつも良いことがあった。 早起きをした。コーヒー豆とミル、コーヒーポット、ドリッパーを持って学校に行った。 コーヒーを淹れるようになってから、コーヒーを友達に淹れる、というのをいつかやりたいと思っていた。それが今日できた。卒業前にで…

#151 髭と長髪と私

あいつが伸びてきている。気持ち悪い。この気持ち悪いブツブツが明日にはまた伸びる。憂鬱だ。明日の夜にはもっと伸びる。明後日もその次もどんどん伸びる。 月に一度でも剃ればそれでOKだったのが、段々頻度が多くなり、今では週に3回も手入れをしないとい…

#148 ヘアドネーションをしました

伸ばし続けていた髪を切った。 ちゃんとした美容室に行くのは1年ぶり。去年の10月に髪の毛を染めて以来だ。2019年からずっとツーブロックにしている。頭頂部だけ残して、左右と後ろは刈り上げ。この髪型にして2年半。長かった。 美容室に行く時というのは、…

#146 永遠の入り口

誰かと仲良くなる。「○○が好きなの?」「一緒だね」「似てるね!」そういうやりとりが繰り返されて、束の間私はうっとりしてしまう。共通点がたくさん。育った町や行った場所。好きなバンド、スポーツチーム、アイドル。出会った日はうっとりしながら帰る。…

#144 9歳の私へ

お元気ですか? 愚問ですね。なんせずっと病棟にいるんですもんね。お疲れ様です。色々とつらいこともあるでしょうが頑張ってください。あなたが——当時の私が——つらいと思っていたかどうかは、実は思い出せません。入院するとわかった時に泣いたのは覚えてい…

#143 病棟の日々

入院しています。何から書けばいいのか迷っているうちにもう38日目になってしまいました。病院での生活は今のところ順調です。8月初めの二度目の手術が終わった後、しばらく車椅子の上で安静にしないといけなかったのですが、それも金曜日で終わりで、昨日か…

#122 部屋の整理(2)

子供向けの国旗の本。保育所に通っていた時、国旗の本をおばあちゃんに買ってもらった。たしかクリスマスプレゼントだったと思う。朝起きたら枕元に一目見ただけで中身が本だとわかる包みがあって、開けると色とりどりの国旗の絵が入った表紙が目に入った。…

#121 部屋の整理(1)

例題12「次の日本後の文章をロシア語に訳しなさい」 「自分は他人とは違う」「自分こそが××にふさわしい」という慢心、他者への優越。今の自分が「しんどく」なっている原因はこういたものなのではないだろうかと思った。O大学に入った時、周囲のことをなん…

#119 ぺルテス病と自意識

小さい頃、街で車いすの人を見かけた。私はその人のことをかわいそうだと思った。その人は守られるべき対象で優しく接しないといけない。その人には誰しもが無償の愛情を注がないといけない。私はそういう風に考える、少し変わった、気持ちの悪い子どもだっ…

#118 理想と現実。ある大学生の場合 後編

大学生になったらアルバイトをたくさんするのだと思っていた。 最初に始めたのはイベントスタッフ。初めて入ったのがインテックス大阪でのKANA-BOONのライブだった。『フルドライブ』や『ないものねだり』のような有名な数曲ぐらいしか知らなかった私は、観…

#117 理想と現実。ある大学生の場合 前編

何かをする前に、実現不可能な期待を抱いてしまう人間が一定数います。私の教えるロシア語のクラスにも毎年そのような学生が何人もいます。「ロシア語ができたらあんなことがしたい、こんなことがしたい」と考えるのは勝手ですが、語学は一足飛びに身につく…

#116 何でもない日々(3)

水曜日。久しぶりに大学の食堂でご飯を食べた。ゴビゴビ砂漠とSさんと一緒に食べた。食堂は感染対策のためにブース型自習室のように仕切りが立てられていて、3人で食べているのにまるで1人で食べているような気分にさせる。誰かが5月ぐらいにzoomの授業の中…

#115 何でもない日々(2)

従兄弟の家から帰って、リビングでテレビを見た。女芸人No1決定戦The W。令和になっても「女芸人」という表現が残っているのはどうなのかしらと思うけれど、お笑いの世界では「男」がマジョリティで、それ故に光が当たらない「女」芸人がいるからこそ存在す…